協議後の記者会見で、雅子さんの代理人弁護士もこう述べた。
「これ以上解明されると、不都合な事実があったのではないかと思わざるを得ない」
その日、自宅に帰った雅子さんは俊夫さんの遺影に向かい、
「ごめんね」
と伝えたという。
■終わらせるわけにはいかない
今後どうなるのか。
一夜明け、雅子さんは、気持ちを切り替えまた頑張っていこうと決めた。提訴した別の訴訟を通じ、真相を明らかにしていこうと思いを新たにしたという。
まず、佐川氏を相手とした訴訟は今後も続く。佐川氏を証人として法廷に呼ぶことができれば、新たな事実が明らかになる可能性がある。
さらに今年10月、雅子さんは、改ざんに関連する行政文書が開示されないのは不当だとして、国に不開示決定の取り消しを求める訴えを大阪地裁に起こしている。この訴訟で文書が一部でも開示されることになれば、新たな事実が明らかになる可能性がある。
雅子さんは力を込める。
「まだ裁判は残っています。これからも戦いつづけます。終わらせるわけにはいきません」
(編集部・野村昌二)
※AERAオンライン限定記事