
コロナ禍でテレワークが普及したことで、これまでよりも副業がしやすくなったが、なかなか踏み出せない人も多いだろう。「かつては何者でもなかった」有名人の話に貴重な“気づき”があった。AERA 2021年12月27日号は、デイトレーダー・テスタさんに聞いた。
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2005年に20代で株のデイトレーダーになり、21年8月に総利益50億円を達成したテスタさん。自らの技術力をとことん磨き上げることで人生を切り開いた職人タイプだ。
「小学生の頃、通学路で毎朝、満員電車を見ていました。電車のドアが開いているときは人間があふれているのに、駅員さんが無理やり押し込んで、なぜかスルスルとドアが閉まる。『自分は会社員になりたくない』と思うようになりました。高校生のときにカイワレ大根を作る工場でアルバイトをしたことがありますが、就職経験は無し」
卒業後しばらくして、自分の貯金300万円で株式投資を始めた。1~2カ月は何百円勝った、負けたの繰り返し。
「3カ月目にようやく投資成績がプラスになりましたが、生活費までは稼げない。一人暮らしだったので家賃や水道光熱費もかかる。その頃は将来に対する恐怖しかありませんでした」
■1億円の損失で血尿
思い出したように実家に帰ると、公務員の親は「はよ、就職しいや」とは言うものの強く諭されることはなかった。あとから理由を聞くと、「どうせ株で生活するなんて無理に決まっている。すぐに音を上げて就職するだろうと思ってたんよ」。
株のデイトレードを始めて半年後には生活費を引いてもプラス。2年後には高給会社員並みの利益を出せるようになった。アベノミクス相場前の11年に、利益1億円に到達。
当然ながら、うまくいくことばかりではなかった。安易な気持ちで手がけた「さくらインターネット」という株で1億円超の資金を失い、ショックのあまり血尿が出たこともある。
ただ、株式投資は才能次第なイメージがある。努力しても損ばかりの人もいるが……。