AERA2022年10月31日号より
AERA2022年10月31日号より

 それにもかかわらず、奨学金は「自己責任」で解決すべきとされています。私たちは、奨学金問題は日本社会が抱える問題であり、社会的に解決すべき問題ととらえ運動を開始しました。

 まずは救済制度の拡大です。年内に、この間に集めた3万筆超の署名を国やJASSOなどに提出し改善を求めていきます。将来的には借りている奨学金の債務帳消しと、学費無償化と給付型奨学金の拡充を目指します。

 奨学金という名の負債を負わせ若者の未来を閉ざすことは、社会の将来を閉ざすことと同じです。若い世代が集まるこのプロジェクトを通して不公正を問い、より公正な社会システムを求めていきたいと思います。

(編集部・野村昌二)

AERA 2022年10月31日号より抜粋

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野村昌二

野村昌二

ニュース週刊誌『AERA』記者。格差、貧困、マイノリティの問題を中心に、ときどきサブカルなども書いています。著書に『ぼくたちクルド人』。大切にしたのは、人が幸せに生きる権利。

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