週刊朝日 2022年11月4日号より
週刊朝日 2022年11月4日号より

「iDeCoは費用がかかるのが一つのポイントです。どこの金融機関でも共通してかかる費用があるので、それと比べてみればいいのです」

 共通の費用とは、加入時の手数料(1)と口座管理手数料(2)だ。(1)は初年度だけだが2829円かかり、(2)は事務手数料と資産管理手数料で合わせて月171円、年間2052円となる。初年度は二つ合わせて4881円かかるわけだ。

「ほかに運営管理費用を取る金融機関もありますが、ネット証券などは初年度は(1)と(2)、2年目以降は(2)だけですみます」(加藤さん)

 月の掛け金5千円だと初年度は手数料が8.14%、2年目以降でも3.42%かかるのに対し、月1万円だと初年度4.07%、2年目以降1.71%に下がる。1万5千円、2万円と月の掛け金が高くなるほど、手数料の率が低くなるのはご覧のとおりである。

「私は金融商品仲介業もやっていますが、われわれがアドバイスつきで金融商品を販売した場合の購入手数料が上限3.3%(税込み)なんです。iDeCoではアドバイスはありませんから、5千円の場合の2年目以降の3.42%は高いと思います。これが掛け金1万円だと2年目以降は2%を割ってきます。やはり月1万円ぐらい掛けていかないと手数料が割高になると思います」(同)

 50代以上のiDeCo加入について年齢は人それぞれだが、金額については一つの目安が出た。これを基礎として、今回可能になった企業型DCとの併用をみていこう。

 まずは、制度として掛け金に上限が設けられていることを知ろう。

 企業型DCのみがある場合(I)は、iDeCoの掛け金と事業主が出す企業型DCの掛け金(以下、事業主掛け金)の合計額は5万5千円(月額、以下同じ)が上限だ。なおかつiDeCoは2万円を超えられない。企業型DC以外に「確定給付企業年金(DB)」などがある場合(II)は、iDeCoの掛け金と企業型DCの掛け金合計額は半額の2万7500円が上限で、かつiDeCoは月1万2千円までとなる。

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