即位70年と長きにわたって英国に身を捧げたエリザベス女王が、9月8日に亡くなった(享年96)。国民だけでなく世界中を魅了するエリザベス女王と英王室。その魅力を描いた映画やドラマを紹介する。
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在ロンドン歴が長いジャーナリストの高野裕子さんに、英王室やエリザベス女王を深く知るのにおすすめのエンターテインメント作品を挙げてもらった。一番のおすすめと語るのが映画「クィーン」(2006年公開、日本では07年)だ。同作はダイアナ元皇太子妃が交通事故で急逝した直後の英王室を描いている。
「比較的最近の出来事を扱っており、初心者にもとっつきやすい。女王を演じたヘレン・ミレンの演技がいい」
次に紹介してくれたのは、今年公開されたドキュメンタリー映画「エリザベス 女王陛下の微笑み」。女王の生涯を、過去のアーカイブ映像でたどる。監督は「ノッティングヒルの恋人」で知られるロジャー・ミッシェル。「記録映像だけで、エリザベス女王の存在を見事に描き出しています。編集の仕方や音楽の使い方も斬新で現代的だと思います」
Netflix(ネットフリックス)で話題の「ザ・クラウン」(16年~)は、若くして即位したエリザベス女王が、苦悩と葛藤の中で国を治める姿を史実に基づきドラマ化した。現在シーズン6を撮影中だったが、女王の死去を受け、撮影が中断されるという。
「エリザベス女王を知る上ではクレア・フォイ主演のシーズン1と2がおすすめです」
映画「ロイヤル・ナイト 英国王女の秘密の外出」(15年公開、日本では16年)も外せないという。舞台は、イギリスが第2次世界大戦の欧州における勝利に沸いていた1945年5月8日。女王(当時は王女)と妹のマーガレットは外出を願い出るが、母親のエリザベス王妃に却下され……。女王の少女時代をもとにした実話だ。
※週刊朝日 2022年9月23・30日合併号