丸山茂樹氏は、幼い頃から知る若手ゴルファーの活躍を喜んだ。

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 国内男子ツアーの「フジサンケイクラシック」(9月1~4日、山梨・富士桜CC)で、アメリカ育ちの大西魁斗(23)がツアー初優勝を飾りました!

 彼のことは小学生のころから知ってます。9歳で日本からカリフォルニアに渡ってますからね。うちの息子としょっちゅう試合で一緒になって。いろんな相談を受けました。それでゴルフのうんちく話に始まって、スイングがどうだこうだという話から、アプローチ、ショットまで。教えたわけじゃないけど、彼とはいろんな話をしました。

 富士桜にはテレビ解説のお仕事で行ってましたから、彼の初優勝を目の前で見られて、感極まるものがありました。まあ自分の息子がプロデビューしたのを目の前で見られたのもそうですけど、やはりこうやって自分もトシをとるんだなというね。そしてまた、彼らが新しい時代を一つひとつ刻んでいく姿を見られたのは、ゴルフの世界で生きてきた人間として、非常にうれしいです。

 もともとガッツのある子でしたし、自分のことを管理する能力が非常に高い子だったので、それが功を奏したというか。いろんなことを乗り越えてやるべきことをしっかりやるという姿勢は、小さいころから少しも変わらないですね。

 南カリフォルニア大学(USC)を卒業して日本に戻ることになったんで、いろんな人や場所を紹介してあげました。そんな中で、コーチの内藤雄士(52)と出会ったのも大きかったんじゃないですか? 内藤も彼のことを小さいときからある程度知ってたこともあって、すぐに打ち解けた。いい話し相手であり、いいコーチとして、内藤と二人三脚でやってきたんだと思います。

 メンタル的にものすごく強い子だと思いますよ。さっきもちょっと触れたけど、やり抜く力がすごくある。努力する才能というか。これが大事なんですよ。アメリカで朝早く起きて練習に行って、しっかり勉強して。

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丸山茂樹

丸山茂樹

丸山茂樹(まるやま・しげき)/1969年9月12日、千葉県市川市生まれ。日本ツアー通算10賞。2000年から米ツアーに本格参戦し、3勝。02年に伊澤利光プロとのコンビでEMCゴルフワールドカップを制した。リオ五輪に続き東京五輪でもゴルフ日本代表監督を務めた。セガサミーホールディングス所属。

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