子どもたちが遊びたいおもちゃを探すことが多かった和室/ビフォー
子どもたちが遊びたいおもちゃを探すことが多かった和室/ビフォー

「家がすっきりしてくると、心も体も軽くなったような気分になりました。何かやろうと思ったこともすぐに行動に移せるんです。『こうなったらどうしよう』と、ネガティブになってやりたいこともできなかった自分が信じられないくらい!」

 片づけが進むと彼女の自己肯定感も上がります。義母や両親が家に遊びに来てくれて、きれいになった家やがんばった自分をほめてくれる言葉も、素直に受け入れられるようになりました。

 心の変化は、生活にもいい影響を与えます。プロジェクトでは「家事は自分へのラブレター」ということで、後回しにせずに先にやっておくことをおすすめしています。これを受けて、彼女はごはんのおかずの作り置きをするようになりました。

「これまで忙しい日はお弁当やお惣菜を買うことが多かったのですが、今ではそんなことがありません。ちょっと感じていた罪悪感もなくなりました。そんなに時間がないときでもササッと作れるようになって、最近は料理が楽しい! 栄養面も安心だし、いいことばかりです」

 自分が変われたという実感を持った彼女は、仕事面でも大きな決断をしました。これまで8年間、時短勤務だったのをフルタイム勤務に戻すことにしたのです。

「プロジェクト参加前は考えられないことでした。生活がうまく回らないので、本当は昨年までだった時短勤務を1年間延長してもらっていたんです。でも、今では『できる』という自信があります」

 最近は子どもたちと旅行に行く話で盛り上がっていると教えてくれる彼女は、はちきれんばかりの笑顔を見せてくれました。目標だった“笑顔で幸せな家族”は、もう達成できたようですね。

出したら片づけられるようになり、いつもきれいな状態/アフター
出したら片づけられるようになり、いつもきれいな状態/アフター

「ずっと今まで『いつか変わる』と思っていたけれど、『いつか』って待っていても来ないんですね(笑)。実際に行動することが大切だとわかりました」

 このような話をすると、片づけるだけで不思議なことがあるものだと思われるかもしれません。しかし、片づけに不思議な力があるのではなく、片づけを通して彼女自身が様々な行動を起こすことによって生活が変わり、人生が変わっていったのです。

私はこれからも片づけによって多くの女性がよい変化を感じ、彼女のように理想の生活を手にできるようになることを願ってやみません。

●西崎彩智(にしざき・さち)/1967年生まれ。お片づけ習慣化コンサルタント、Homeport 代表取締役。片づけ・自分の人生・家族間コミュニケーションを軸に、ママたちが自分らしくご機嫌な毎日を送るための「家庭力アッププロジェクト?」や、子どもたちが片づけを通して”生きる力”を養える「親子deお片づけ」を主宰。NHKカルチャー講師。「片づけを教育に」と学校、塾等で講演・授業を展開中。テレビ、ラジオ出演ほか、メディア掲載多数。

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