5000件に及ぶ片づけ相談の経験と心理学をもとに作り上げたオリジナルメソッドで、汚部屋に悩む女性たちの「片づけの習慣化」をサポートする西崎彩智(にしざき・さち)さん。募集のたびに満員御礼の講座「家庭力アッププロジェクト®」を主宰する彼女が、片づけられない女性たちのヨモヤマ話や奮闘記を交えながら、リバウンドしない片づけの考え方をお伝えします。
case.31 低かった自己肯定感が上がり、生活がガラリと変わった
子ども3人/事務職
片づけられなかった人が片づけられるようになると、家がきれいになるだけではなく、他にもよい効果が生まれます。生活が整うことで時間に余裕ができたり、仕事の効率化ができて業績が上がったり、本人が想像もしていなかった未来が開けることがあります。
私が主宰する「家庭力アッププロジェクト®」の説明会では、片づけ以外の効果についてもお話しします。それを聞いて、「とにかく自分の人生を変えたい」という思いで参加してくれた女性がいました。
「毎日イライラして、子どもたちに対してきつい口調でキレていましたね。子どもたちへの影響を考えるとよくないと頭ではわかっていたんですが……」
第3子を妊娠中に夫が他界し、それ以来シングルマザーで仕事と育児に奮闘してきた彼女は、大好きな子どもたちときちんと向き合えないほど精神的に追い込まれていました。周囲からは「がんばっているね」と声をかけてもらうこともありましたが、言われるほどのことができていないと自分を責める日々。
子どもたちとの関わり方に悩み、心理学の講座を受けてみたこともありました。しかし、自分には合わずにうまく改善できなかったことも、さらに彼女の自己肯定感を下げてしまいます。どんどん理想の生活とはかけ離れていくのを感じていました。
「目指していたのは“みんな笑顔で幸せな家族”なのに、現実ではまったく違う。家の中の片づけも必要だと思いましたが、何よりも家族と自分の人生を変えなければと思ったんです」