昨年、全米を中心に世界中で「Black Lives Matter(黒人の命は大切)」の運動が起きたが、アジア人に対する差別事案も問題視されている。東京五輪の男子卓球シングルス3回戦の試合を中継した際、ギリシャの選手と対戦した韓国人選手に対し、ギリシャ公営テレビERTでスポーツ番組の司会者が「あの細い目でどのようにボールの動きを見ているのか理解できない」などと差別発言。番組終了直後に契約を解除された。
また、サッカー界でもスペイン・バルセロナに所属するフランス代表のFWウスマン・デンベレとFWアントワーヌ・グリーズマン(現アトレティコ・マドリード)が、2019年7月にクラブの日本ツアーで来日した際、ホテルのスタッフにフランス語で「醜い面」「ひどい言葉だ」などと発言。グリーズマンはデンベレの隣で笑みを浮かべていた。この動画が昨年7月に拡散され、差別発言だとして問題になった。
「吉田麻也が昨年10月のW杯最終予選で日本がサウジアラビアにアウェーで敗れた際、スタンドで差別的なジェスチャーを行った観客に激高して詰め寄る場面がありました。ああいう姿勢は本当に素晴らしいと思いますし、欧州のメディアも大きく取り上げられました。日本人は感情をあらわにして怒るのがあまり得意ではないですが、人種差別に対しては態度に出して抗議すべきだと思いますね」(スポーツ紙記者)
セルティックには古橋、前田の他に川崎フロンターレのMF旗手怜央、ガンバ大阪のMF井手口陽介も新たに加入する。こういった人種差別の被害に今後は遭うことがないように願うばかりだ。(阿須間裕)