岸田文雄首相

「10万円給付やワクチンの前倒しなどでいろいろ問題はあったけれども、大きな失点とは見られていないということでしょう。まだ御祝儀が続いているんだと思いますよ。政権には振り子の論理があって、安倍・菅という強権的な政権に国民がいささか飽きてきた。それで、ハト派的で、ギラギラしたところのない上品な岸田さんに振り子が振れているんだと思います」

 岸田政権は国会への提出法案でも、国や自治体の病床確保権限を強化する「感染症法改正案」など、世論の反発や野党との対決が予想される法案の提出は先送りしている。それでも内閣支持率は上昇しているので、岸田官邸は確実な手応えを感じているという。

「この成功体験を踏まえ、このまま“御用聞き戦略”に徹していけば、支持率のさらなる上昇を見込め、歴代内閣最高支持率である小泉内閣の87%超えも、『いけるかもしれない』と官邸内では息巻いていると聞きます」(官邸関係者)

 だが、前出の鈴木氏はこう危惧する。

「コロナというのはどんな国民にもまんべんなく一人一人に覆いかぶさってくる問題なので、政治に対する感覚がみんな鋭敏になります。だから、コロナ対策を誤ると、岸田政権の支持率にも必ず、影響が出てくると見ていいと思います」 

 前出の小林氏は、岸田政権の大きな曲がり角になるのは、コロナ感染拡大やワクチンの接種状況が見極められる3月頃と指摘する。

「予算が成立する3月あたりで、岸田政権のコロナ対応能力と経済政策として掲げた『成長と分配』の明確な具体案などが求められる。そして成果を示せなければ、国民の失望感が広がり、一気に支持率が下降減少に転じる。そしてこれは夏の参院選挙に直結しますよ」(小林氏)

 4月以降は参院選挙のムードに入るという。

「岸田さんとしては参院選に勝てばあと2年間は政権安泰と考えているでしょう。ただし、公明党とのパイプが菅前首相と違ってないから、公明党は、自民党との相互推薦を見送るなどと強気の姿勢を見せ、自民党の足元を見ているんですよ。今後は岸田さんにとってはそう甘くはないと思いますね」(同前)

 (AERAdot.編集部 上田耕司)

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