熱狂的な大谷のファンとして知られる『FOXスポーツ』のアナリスト、ベン・バーランダー氏も、SNSでこの記事について反応している。バーランダー氏は『GQ』に掲載された大谷の写真をいくつか添え、「大谷翔平が今月の『GQ』に掲載されており、これは自分が今まで見た中で最高のものかもしれない」と大喜びする様子をみせた。そして、大谷が、「ベースボールの顔」と呼ばれることを歓迎し、今後良いプレーを続けられるようモチベーションにもなる、という一文を引用して自身のフォロワーに発信した。

 さらに、この記事は、『USA TODAY』や『CBSニュース』などの大手ニュースメディアや、『ESPN』や『ブリーチャー・レポート』といったスポーツメディアにも取り上げられており、それぞれが大谷の発言に注目した。

 ニュースメディアが特に取り上げたのは、『GQ』の記事内で語られていた、『ESPN』のスティーブン・A・スミス氏に関する話題であった。スミス氏は昨年、大谷に対して批判的なコメントを次々と発し、物議を醸した。特に7月に同氏が語った「『野球界の顔』とされる選手が通訳を必要とするような人物なんてね」という発言は、現地でも「人種差別だ」と批判され、大炎上した。その後、スミス氏は同発言について謝罪しているが、『GQ』では、あえてスミス氏の事についての質問を投げかけた。大谷はそれに対して次のように答えている。

「英語が話せるなら、英語で話します。もちろん、そうしたいと思う。英語が喋れることに損はない。それからは、前向きなことしか出てこない。でも、自分は、1日中野球をプレーするためにここ(アメリカ)に来た。そして、フィールド上でのプレーが、自分にとって人々やファンとのコミュニケーション手段であると感じた」

 この大谷の考えや、「英語ができるなら喋りたい」という発言(『GQ』では日本語で話したと書かれている)に現地のメディアは興味を持ち、このことを取り上げた。また、今回の事で、大谷とスミス氏の発言を巡る話は、一旦幕を下ろしたと捉えた様子もみせた。

次のページ