「だって目標を立てると、それに縛られて頑張っちゃうじゃないですか。スイッチが入ると周りが見えなくなるタイプなんです。サッカーもそうでしたけど、自分さえうまくなればいいって思いで頑張ると、結局自分が疲れて終わっちゃうんですよね。チームプレーのほうが楽しいです」
とにかく今は、芝居ができればいい。演じたい役も避けたい役もなく、「来るもの拒まず去るもの追わずって感じ」で、「軽く」ありたい。
「お仕事をするなかで自分もだいぶ変わりましたけど、今もふとしたときに『人前に出るの苦手だな』とか『めっちゃ見られてるなー』とか思います。感覚が芸能人じゃないんですよね。でも僕のまわりはけっこう普通な人が多いです。伊藤あさひとか、綱啓永とか。気取ってないし、染まってない。そのへんのお兄ちゃんみたいな(笑)」
「2022年の抱負を」と色紙を差し出すと、伸び伸びとした達筆で「気楽」と記した。
◆5月公開予定の映画「20歳のソウル」で共演した福本莉子さんに聞いた、神尾楓珠さんの印象
目がすごい印象的ですよね。日本人離れした、強い意思のある目。しゃべってみると意外と普通の男の子って感じがして、ギャップがあります。
◆かみお・ふうじゅ 1999年、東京都生まれ。2015年、24時間テレビドラマスペシャル「母さん、俺は大丈夫」で俳優デビュー。その後、ドラマ「3年A組 今から皆さんは、人質です」など話題作に出演し、ドラマ「左ききのエレン」「顔だけ先生」や映画「彼女が好きなものは」では主演を務めた。今年も映画「20歳のソウル」「恋は光」などの主演作が公開予定。
(取材・文 大谷百合絵[本誌])
※週刊朝日 022年1月28日号に加筆