「今回、特に印象に残ったのは『ス・ト・リ・ッ・パ・ー』や『カサブランカ・ダンディ』『6番目のユ・ウ・ウ・ツ』でした。ジュリーの曲はバンドサウンドありきのものが多いので、久しぶりにガツンとリズムを感じながらライブを観ることができて本当に感激しました。コロナ禍なので立ち上がったり声を出したりできなかったのがくやしいですね」

 新しいバンドについても想像以上に好印象だったそうだ。「依知川さん、高見さん、平石さんは同じバンド(BARAKA)を組んでいるだけあって息がぴったりですし、柴山さんもジュリーと2人だけの編成の頃に比べて負担が減って、いきいきしているように見えました。なによりジュリー本人も久しぶりに大勢のミュージシャンたちと絡みながら歌うことができて楽しかったんじゃないでしょうか。以前より痩せたせいか、ステージングも軽快でした」(國府田さん)

 筆者が特に印象深かったのは、ライブ中盤で歌われた1977年のヒット曲「憎みきれないろくでなし」。大所帯のバンドならではの混沌としたロックサウンドの中で、当年73歳とは思えぬしなやかでセクシーな歌声で吠える沢田。やはりジュリーはこうでなくっちゃいけない。また後半で歌われた1978年の「LOVE(抱きしめたい)」も重厚でドラマチックなあのサウンドが見事に再現されており、沢田にしては珍しい、リズムを溜めに溜めたむせび泣くような歌い方ととてもよくマッチしていた。

 東京国際フォーラムではMCは控えめだったが、1月14日のフェスティバルホール(大阪市)では亡くなった萩原健一さん、井上堯之さん、内田裕也さんらとの思い出を振り返りつつ「亡くなった人たちの命日に歌いたい」と心中を明かした沢田。またさまざまな時代を乗り越えて付いてきてくれたファンたちに対して「好きです」とも。年齢は意識しているが、先立った人々の思いを背負うため、ファンたちのためにもまだまだ一線を退くつもりはなさそうだ。今後も2023年後半までライブのスケジュールが入っており、新曲も制作しているとのこと。

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