映画「再会の奈良」は4日からシネスイッチ銀座ほか全国順次公開 (c)2020“再会の奈良” Beijing Hengye Herdsman Pictures Co., Ltd, Nara International Film Festival, Xstream Pictures (Beijing)
映画「再会の奈良」は4日からシネスイッチ銀座ほか全国順次公開 (c)2020“再会の奈良” Beijing Hengye Herdsman Pictures Co., Ltd, Nara International Film Festival, Xstream Pictures (Beijing)

 一方で、「ずっと遊んでいたい」という気持ちもある。

「映画監督っていうのは、大人じゃないとダメだと思うんです。でも、僕自身はまだ遊ぶこと=分解のほうが好きだから。台本を自分の中に入れるときもそう。何回も繰り返し読みながら、頭の中でバラバラに分解しちゃう。リズムを変えたり、役柄のエモーショナルな部分を分解していって、入れ替えたり、どこかをブツッと切ってみたり。そんなことをずーっと繰り返すのが楽しいですね。話の内容なんて一回読んだらわかるんだから、自分が役をどういうふうにパフォーマンスするかを考えて、いろいろシミュレーションを繰り返してみる。僕流の“分解”をわかりやすくいうと、そういうことになりますね。頭とか手とか、何か動かすことが僕にとっての“遊び”だから、基本、せっかちなんだと思います」

 趣味は釣り。分解癖とは程遠い趣味のように思えるが。

「いやいや、釣りって、せっかちな人じゃないとダメなんですよ。僕はフライフィッシングで、毛鉤も自分で作るんで常に忙しいですが、餌釣りにしても、浮きに反応がなくなったら、反応のない理由を見つけないと次につながらない。気の長い人だと、餌を取られたことにも気付かずに、延々と待っていられるじゃないですか。それじゃ釣れないです(笑)」

(菊地陽子、構成/長沢明)

國村隼(くにむら・じゅん)/1955年生まれ。大阪府出身。81年「ガキ帝国」で映画デビュー。国内外の映画を中心に、ドラマ、舞台、ナレーションなど幅広く活躍。初主演作「萌の朱雀」が第50回カンヌ国際映画祭カメラ・ドールを受賞。ナ・ホンジン監督「哭声/コクソン」(2016年)で、第37回青龍映画賞の男優助演賞と人気スター賞の2冠に輝き、同賞での外国人俳優初の快挙となり、注目を集めた。

週刊朝日  2022年2月11日号

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