宮崎美子(みやざき・よしこ)/ 1958年、熊本県生まれ。80年、熊本大学在学中に本誌の表紙を飾ったのを機に、ミノルタ(現・コニカミノルタ)のCMに起用され、話題の人に。同年、TBSテレビ小説「元気です!」で俳優デビュー。その後も、多くの映画、ドラマなどに出演。一方で、クイズ番組やバラエティーでも活躍している。2020年にはYouTubeチャンネル「よしよし。【宮崎美子ちゃんねる】」を開設。主人公の母親役を演じた映画「猫と塩、または砂糖」は全国順次公開中。(撮影:写真映像部・戸嶋日菜乃/編集協力:一木俊雄/ヘアメイク:岩出奈緒/スタイリスト:坂能翆/衣装協力:Cucina、Perlagione)
宮崎美子(みやざき・よしこ)/ 1958年、熊本県生まれ。80年、熊本大学在学中に本誌の表紙を飾ったのを機に、ミノルタ(現・コニカミノルタ)のCMに起用され、話題の人に。同年、TBSテレビ小説「元気です!」で俳優デビュー。その後も、多くの映画、ドラマなどに出演。一方で、クイズ番組やバラエティーでも活躍している。2020年にはYouTubeチャンネル「よしよし。【宮崎美子ちゃんねる】」を開設。主人公の母親役を演じた映画「猫と塩、または砂糖」は全国順次公開中。(撮影:写真映像部・戸嶋日菜乃/編集協力:一木俊雄/ヘアメイク:岩出奈緒/スタイリスト:坂能翆/衣装協力:Cucina、Perlagione)

林:お優しいですね(笑)。

宮崎:そんなことないですよ(笑)。監督がどこかに「アリの生活を上から見るような視点」って書いてましたけど、不思議でしたねえ。観察されてる感じ。カメラ、ずっと回しっぱなしなんですよ。セリフ、とうに言い終わってるはずなのに「カット」が入らないから、セリフを自分で勝手につくって言ったりして、「どうするんだろうな」っていう(笑)。

林:映画自体、かなり難解であることはたしかですね。

宮崎:監督の脳内世界があらわれている、という感じですね。白い世界から色とりどりの世界に自分で染めていくとか、閉じこもってる世界と外の世界をどう切り結んでいくのかが現代人のテーマだとか、いろいろ言えますけど、結局は「何だろう」という感じで。撮影に入ってから、じわじわと監督の意図がわかったような気もしますけど、いまだに自信はないですね。

林:監督自身が元ニートなんですってね?

宮崎:そうなんですよ。閉じこもってたみたいで。

林:これはPFF(ぴあフィルムフェスティバル)でグランプリをとった小松監督が、PFFスカラシップを獲得して実現した作品だから、低予算でつくられてるんですよね。

宮崎:撮影期間も限られてたし。

林:何日ぐらいで撮ったんですか。

宮崎:10日ぐらいかな。飯能(埼玉県)の一軒家を借りて。たとえば「このシーン、晴れの状態で撮りたいな」と思っても、お金が潤沢にあったら晴れるまで待てるわけですけど、それができないから気の毒な感じがしました。じっくり撮りたかったんだろうなと思うんです。

林:宮崎さんみたいな方が、こういう若い人の意気を感じて「一肌脱いであげよう」という感じだったんですか。

宮崎:小松監督の受賞作の「食卓」(2016年)を見たときに、変におもしろくて、なんか魅力的だったんですよ。何がどう魅力的かというのは難しいんだけど、独特の世界で、いままで見たことのないタイプの映画だったので、そこにちょっとひかれましたね。

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