記者会見後の写真撮影で笑顔を見せる坂本花織.
記者会見後の写真撮影で笑顔を見せる坂本花織.

 今回、ドーピング問題の渦中にあったカミラ・ワリエワ(ROC)は、SP首位のリードを守り切れなかった。精神的な動揺が抑えきれなかったのか、2度のジャンプ転倒を含むミスを連発。蒼ざめた顔で氷上を降りると、キスアンドクライで点数が出た時にはついに号泣。コーチらに肩を抱えられながら、会場を去った。

 ワリエワが表彰台を逃したことにより、3位以上の順位は確定。既に行われた氷上でのマスコットセレモニーとは別に、18日夜にはメダルセレモニーも開催される。

 疑惑が晴れぬままの15歳の選手を競技の場に送り出したことについては、非難の声が上がっている。一方で、日ごろから厳しいドーピングチェックを遵守しながら今回の騒動に巻き込まれた他の選手たちも、本来不要なストレスにさらされた。坂本も、SP終了後の記者会見で執拗にコメントを求められ、困惑した表情を見せていた。

 異様な雰囲気の中、重圧に打ち勝って自らの演技を表現し尽くした、誇るべき坂本の銅メダル。日本女子の五輪表彰台は、2010年バンクーバー五輪銀の浅田真央さん以来だ。5位入賞の樋口新葉もまた、浅田真央さん以来の「SPとFPでのトリプルアクセル成功」を成し遂げた。どこかすっきりしない幕切れとなった女子フィギュアだが、日本の同級生コンビは、曇りなく輝かしい結果を出した。(菱守葵)

※週刊朝日オンライン限定記事

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