
ペットはもはや大事な家族。読者とペットの愛おしい日常のひとコマをお届けします。今回の主役は、猫のチャトラン・ペー助ちゃんです。
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わが家の愛猫は20歳。20年前、野良だった母猫と姉や妹2匹と一緒に、わが家に迎え入れた。
名前は「チャトラン・ペー助」。私と母が自分の考えた名前を譲らなかったので、二つをつなげた。普段は略してチャッペー。
わが家では唯一の男性。「お前はわが家の大黒柱。しっかり守って」と言い聞かせてきた。しかし、お坊ちゃまに育ててしまったようで、内弁慶で外ではからきし意気地なし。
喧嘩(けんか)でうなり合っている現場に私が駆けつけ、チャッペーの背後にしゃがみ「がんばれ」と声援を送る。するとがぜん気が大きくなり、ドスの利いた声を張り上げる。
そして私が立ち上がり、手を振り上げると、相手は驚いて逃げ出すのだが、チャッペーは、自分の実力のせいだと勘違いし、すごい勢いで追いかける。
だが、追われるほうが多く、姉や妹の加勢を受けることもあった。
やがて母猫が虹の橋を渡り、私の母も他界した。そして姉や妹も天寿を全うし、私とチャッペーだけになった。

20歳にもなると、喧嘩をする気力もないらしい。外で昼寝をしている時、近所の若い雄猫が挑発してきても、起き上がりもせず横になったままか弱い声で鳴き、目を閉じてしまう。
だから縄張りも荒らされ放題。私はチャッペーを抱きしめ、「大丈夫、どうってことないよ。家の中ではチャッペーがお山の大将だからね」と言い聞かせる。
このごろは食べても痩せていく。一緒にいられる時間は長くないと思い知らされる。だから、チャッペーの匂い、手触り、息遣い、声、ぬくもりをしっかり覚えておこうと、スキンシップを大切にしている。(長野県麻績村/58歳/行政書士)
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※週刊朝日 2022年8月12日号