今回注目すべきは、YouTubeの動画が、内部告発として機能したという点です。この可能性は非常に興味深く、苦境に立たされている人々にとっては一つの糸口になりうると感じでいます。Twitterでは、時々会社の待遇やパワハラやセクハラについてのツイートが話題になります。少し前には、「一部上場企業に勤める夫が育児休暇をとったら明けて2日目で転勤の辞令。妻の復職まで2週間、2歳0歳の子供が転園入園したばかり、新居に引っ越して10日」という家族の事情を無視した辞令が出され、有給も転勤時期の交渉も受け入れてもらえなかったため夫は退職することになったという内容のツイートが話題になりました。男性が育児休暇を取ると、人事査定に響く可能性について内部告発したもので、大きな話題となりました。このようにSNSを用いて、一般の人が不当な待遇や理不尽な不利益、会社や学校で起こっている事態について、問題提起や内部告発できる時代になりました。このムーブメントが、YouTubeにも訪れたと言えます。
暴露系YouTuberというと、とても過激で、芸能人や有名人を狙い撃ちするようなイメージを持つと思います。実際に、現在話題になっているのは、有名人や芸能人を扱った動画です。しかしながら、このジャンルの可能性は、一般の人でも自分の発信を広く情報を拡散させることができる点です。例えば学校や職場でいじめられていたり、不当な扱いを受けていたり、セクハラやパワハラなどの被害にあっている人がいたとしたら、これをYouTubeの動画で告発することにより、状況を動かせる可能性があります。この意味では、プラスにも働くのが暴露系というジャンルだと考えます。YouTubeの動画がもつ影響力は非常に強くなっています。この影響力をどう生かすかは、動画の作り手次第と言えます。