マーツーに「子供の頃、何になりたかった?」と聞いたらこの回答。
「おかあさんからのでんごんです。おかあさんはおこっています」
7~8年前、飲み過ぎた翌日、昼まで寝てたら息子が僕の部屋に入ってきて言い残した言葉。「息子の前では極力、夫婦喧嘩を見せない」との禁を破ってまでの伝言に今でも震え上がる。敬語に余計震え上がる。
「みかげいし」「ズロース」「すっとこどっこい」
これも7~8年前。息子を寝かしつけるため、息子としり取りをしていたマーツー。なかなか寝ない息子に業を煮やしたマーツーが次々と繰り出した言葉たち。どれも、とても幼児に繰り出す言葉とは思えない。その容赦のない語彙による攻勢に震え上がる。
「てへろ~ん、ぺろ~ん、お母さん、おかしくなっちゃった、ふふ、へへへ」
これも寝かしつけでの発言。なかなか寝ない息子をなんとか寝かせようと、マーツーが突如繰り出した斬新な演技プラン。そのあまりに前衛的なプランに震え上がる。俺、わりと常時震え上がってる。そして息子はこのとき泣き出した。余計寝れなくなった。
「君の顔、便座に似てるね」
再び顔シリーズ。第1弾では「便器に似てるね」をご紹介したが、今回は「便器」ではなく「便座」。なぜにこの2つを分けて俺に言い放ったのかは謎だし考えたくもない。
「髪の生え方さえ癒される」
ずいぶん前。スヤスヤ眠る息子のツムジを見ながらマーツーがふと言った言葉。これに関してはホント、俺も300パーセント同意。なんなら今も。たぶん、今後も。
最後ムリヤリいい感じにまとめようとした感が半端ないが、今後もマーツーとラブラブであると主張していく所存だぜ。
■佐藤二朗(さとう・じろう)/1969年、愛知県生まれ。俳優、脚本家、映画監督。ドラマ「勇者ヨシヒコ」シリーズの仏役や映画「幼獣マメシバ」シリーズの芝二郎役など個性的な役で人気を集める。著書にツイッターの投稿をまとめた『のれんをくぐると、佐藤二朗』(山下書店)などがある。96年に旗揚げした演劇ユニット「ちからわざ」では脚本・出演を手がけ、原作・脚本・監督の映画「はるヲうるひと」(主演・山田孝之)がBD&DVD発売中。また、主演映画「さがす」が公開中。