放送作家でコラムニストの山田美保子氏が楽屋の流行(はや)りモノを紹介する。今回はネイルのお直しグッズを取り上げる。
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コロナ禍、経営の悪化を取り沙汰されることが圧倒的に多いのは飲食店だが、お客との距離が近い美容サロンからも「大変」との声をよく聞く。
もちろん、換気をはじめとした感染対策は徹底しているし、同時間帯の客数は制限している。それでも「ヘアカラーは自分でするようになった」
「前髪だけは家で切っている」「エステは美容家電を駆使している」など自宅で済ます人が激増。
「セルフ・ネイラーも多くなりましたね」とは某サロンのネイリストだ。
マニキュア派のみならず、ジェルネイル派も自宅で施す人が増えた背景には、ネイルサロンで使用する道具がネットで簡単に手に入るようになったことがある。
とはいえ、それは時間に余裕があって、手先が器用でアートやデザインのセンスもある人にだけ許される行為。
「忙しいタレントさんは、3週間から4週間おきにサロンを利用される方が多いのです」(ネイリスト)
一つだけ変わったのは、“お直し”のために“飛び込み”で来る人への対応だという。
以前は、家事をしているうちにストーンが落ちてしまったとか、表面のツヤがなくなってきてしまったというときにも、お客はサロンを訪れていた。が、常駐するネイリストの人数を制限している中、すぐに対応するのが難しい。
「なので、この二つを買っていただき、ご自宅で応急処置をしていただいているのです」(同)
一つはジェルを固めるためのLEDライト。サロンで使うような、指が5本すっぽり入るドーム型のモノではなく、1本用のスティックタイプだ。実はこれ、ネイリストも使っているモノ。アートをした指にだけ当てるのに便利なのだという。
もう一つは、トップジェルだ。「ご自宅で1本か2本、“お直し”するだけなら、ボトルタイプのモノよりはマニキュアのように刷毛(はけ)と一体型になっているモノがオススメです」(同)
サロンでは感染対策の一つとして、ネイリストが道具を共有しないようになってきているという。
プロが使う商材を扱う専門店もあるし、『LOFT』やネットでもジェルネイルの“お道具”は、手に入りやすい。
デキるヘアメイクさんのボックスにも、この二つは入っているのだとか。ネイル好きの新マストアイテムだ。
山田美保子(やまだ・みほこ)/1957年生まれ。放送作家。コラムニスト。「踊る!さんま御殿!!」などテレビ番組の構成や雑誌の連載多数。TBS系「サンデー・ジャポン」などのコメンテーターやマーケティングアドバイザーも務める
※週刊朝日 2022年3月18日号