矢吹さんは大学生のときにテープ起こしのアルバイトを始め、自分で企画を立てて原稿を書くようになった。ペンネームは好きな漫画のキャラクターからとっている。

「前作の『世界のスノードーム図鑑』もそうですが、みんなが当たり前と思って触れているものが、どういう経緯で当たり前になっていったかを調べるのが好きなんです」

 70年代に約1500カ所あったバッティングセンターは2006年に半数以下になり、現在は後継者不足でさらに減少している。

「昔は『ドラえもん』のように空き地で野球をしましたよね。僕にとってバッティングセンターはかつての空き地みたいな存在なんです。ベンチに座って缶コーヒーを飲んでるだけでも受け入れてくれるじゃないですか」

 巻末には草野球仲間のピエール瀧さんとの対談が収録されている。(仲宇佐ゆり)

週刊朝日  2022年3月25日号

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