プロ野球でビデオ判定が導入されたのは10年のシーズンから。当初は本塁打を巡る判定だけだったが、14年から本塁打以外のフェンス際の飛球もビデオ判定の対象になり、16年から本塁のクロスプレーも対象に。18年からリクエスト制度が導入され、監督が審判の判定に異議がある場合、ビデオ映像によるリプレー検証を求めることができるようになった。監督がリクエスト権を行使できる回数は1試合で最高2回(延長戦に入った場合は新たに1回)、ビデオ判定の結果判定が覆れば回数は2回のまま継続、判定通りなら1回ずつ権利が減る。
高校野球でもビデオ判定導入の是非を巡り、様々な意見がある。アマチュア野球担当記者は「審判に掛かる負担が大きすぎる」という理由でビデオ判定の導入を支持する。
「人間が判定することですから、誤審をゼロにするのは不可能です。誤審が勝敗の明暗を分ける形になれば、プレーしている高校生たちがショックを受けるだけでなく、誤った判定を下した審判員も精神的に大きなダメージを負う。今回、球審が判定を覆した決断は称賛されるべきですが、それで終わらせてはいけない。地方大会から全ての試合でビデオ判定を取り入れるのは物理的に厳しいですが、甲子園本大会は導入することを考えても良いと思います」
ビデオ判定を活用すべきか。時代の流れを考えれば、高校野球も検討する価値は十分にあるだろう。(安西憲春)