体操を指南してくれるMoss manたち(イラスト:寄藤文平)
体操を指南してくれるMoss manたち(イラスト:寄藤文平)

「スマホを持った原始人」と言われる彼らはせっせと苔を育てている。だからMoss manと名付けたという。

「もともと僕は、苔が好きな少年だったんです。好きな苔が生えている場所まで出かけて行って、ずっと眺めたりしていました。鮮やかな花が咲いたりしませんけど、種類もいろいろあるし、しばらくするとちゃんと増えてたりする。それを眺める時の、ちょっと「閉じてる」感じがいいと思うんですよね。yPadを、手に取ってくださる方の『ゆるやかに閉じた時間』を応援するツールとして考え直してみてもいいんじゃないか。そんな風に考えて、苔を育てるmoss manになぞらえて解説図を構成してみました」

 ネットもSNSも何かを「共有」するのが前提の世の中。デジタルでのスケジュール管理には人と共有する利便性もある。しかし共有されない部分にこそ本音があったりするし、共有するほどでもないことが、実は面白かったりもする。そんな「誰に遠慮もいらない時間」を確認するツールでもあるという。

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「僕もSNSは利用しますが、どうも苦手なんですよね。誰も傷つけないように慎重にコミュニケーションしないといけない。使える言葉もどんどん少なくなってる。コミュニケーションコストが高すぎるといいますか、投稿一つでヘトヘトになってしまうんですよ。先日のオリンピックの選手インタビューを見ていても、全体に定型文を読み上げるような応答が多い感じがしました。まるで監視システムのテストに答えてるみたいで、見ているこちらが申し訳なく思いましたよ」

 確かに、最近はテレビやウェブメディアだけでなく、個人的なSNSですら「炎上しない」ことを第一に考えて発言している人が増えたように感じられる。人を傷つけない配慮はとても大事だが、配慮し過ぎて言いたいことが言えなかったり、ストレスを感じることもあるのではないだろうか。

「やっぱり、独断と偏見に満ちた世界というか、気軽に好きなことを好きなように表せるような、ちょうどよく閉じた場が必要なんじゃないかと思います。yPadはスケジュールを管理するツールですけど、毎日の手元にあって自由度も大きいので、自分の好きに想像を描き出せるノートのようにも使えます。先の予定だけじゃなくて、過ぎた時間を記録したり、気づいたコメントをメモするのにも使ってもらえたらいいな、と思います」

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寄藤さんがここ2年ぐらい、個人的に教訓だと感じていることとは?