林:そんなにそっくりなんだ。
江口:でも、お姉ちゃんのほうが断然きれいです。二人でライブハウスとか行くと、ナンパされるのは絶対お姉ちゃんでした。
林:お姉ちゃん、ふつうの方?
江口:主婦です。子どもも2人いて、アメリカに住んでます。
林:上京したとき3畳間に住んでたって本当ですか?
江口:そうです。3畳間でした。
林:私も大学生になったときに、3畳間にしばらく住んでましたよ。トイレは共同だったし、お風呂は銭湯だったけど、ぜんぜんイヤじゃなかった。
江口:そうなんですよ。住めばそこが家になりますからね。
林:若いころ、3畳から4畳半、6畳、1DKって、双六のように1・5畳ずつ増えていったのが、私はうれしかったけど。
江口:私もそんな感じでしたね。
林:新聞配達もしてたとか?
江口:はい。朝日新聞で1年間やってました。住み込みで。
林:まじめに?
江口:そうでもなかったです。あまりにもしんどくて一回休んだことがあって、そしたら代わりにやってくれたお兄さんがいて、「そっか、休んでも代わりにやってくれる人がいるのか」と思って。
林:そう思ったらダメでしょう。
江口:後半は1カ月に1回ぐらいズル休みするようになってしまいましたね。
林:なんかうれしいな、私と似たような人がいて(笑)。2万円持って上京したときに、「自分は女優になれる」って信じてたんですか。地方から俳優になりたくて上京しても、だいたいみんな挫折して帰っていきますけど。
江口:私は絶対にうまくいくと思ってました。自分の計算では、中学卒業してアルバイトして、すぐに30万~40万ためて、そのお金で上京しようと思ってたんです。ところが、バイトしてお金たまって、それを自分の本棚のうしろに隠してたら、いちばん上のお兄ちゃんがそれを持ってったりして。
林:まあ。
江口:全部最初からやり直しで、フテくされたんですね。「バイトなんかやってられん」と思って、ぜんぜん働かない時期があったり、働きだしても、「こんなことがやりたいわけじゃない」と思って3日でやめたり、そんなことの繰り返しで、その期間がほんとにつらかったんですよ。