瀋陽市のPCR検査会場の一つ。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、各地で大規模な検査が繰り返されている(撮影/金順姫)
瀋陽市のPCR検査会場の一つ。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、各地で大規模な検査が繰り返されている(撮影/金順姫)
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 新型コロナウイルスの感染拡大が続く中国は、いまもゼロコロナ政策を徹底している。その代償は大きく、社会の不満が高まっている。AERA 2022年4月18日号の記事から紹介する。

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 大規模な検査と徹底的な隔離で、新型コロナウイルスの抑え込みを図る中国。1月に東北部の遼寧省瀋陽に赴任した筆者はいま、ゼロコロナ政策の「最前線」にいる。

 防護服姿の4人がやってきて、突然、自宅を封鎖されたのは3月の最後の日曜日だった。それから10日。この記事は部屋から出られない隔離下で書いている。マンションでコロナの感染者が出たため、2週間にわたり隔離される見通しだ。

 封鎖の際には、質問しても、隔離の理由も期間も知らされなかった。玄関のドアには、開閉を把握されるセンサーが取り付けられている。

玄関ドアを開けるだけ

 出前やネットでの買い物はできるため、食べ物に困ってはいない。注文したものは玄関前まで運んでもらい、その時にドアを開けるのは許される。ゴミは毎朝、回収される。

 感染者が出た私のマンションだけでなく、瀋陽市内の各地で居住区ごとの封鎖や、厳しい行動制限が課されている。

 中国では3月に入り、湖北省武漢で感染が爆発した2020年初頭以来の勢いでコロナが拡大。中国流の対策をもってしても、感染力の強いオミクロン株は食い止められなかった。

 新規感染は31ある省・自治区・直轄市のうち29に広がり、3月1~31日の中国本土の市中感染者は10万人を超えた。4月に入っても収まらず、4日に確認された中国本土の市中感染者は1万6412人(うち無症状は1万5239人)にのぼった。

 中国最大の経済都市・上海では3月28日、市域を東西に分けた2段階の都市封鎖(ロックダウン)が始まった。4月5日未明までの予定だったが、感染状況が深刻なため、解除は全域で先送りされた。

コロナ感染防止のため、突如設置された人の出入りを遮るフェンス。住民からは「まるで国境だ」という声が漏れた(撮影/金順姫)
コロナ感染防止のため、突如設置された人の出入りを遮るフェンス。住民からは「まるで国境だ」という声が漏れた(撮影/金順姫)

最小の代価のしわよせ

 上海のロックダウンは中国経済に及ぼす影響が大きく、社会に与える衝撃と負担も計り知れない。約2500万人の住民を対象にしたPCR検査や隔離施設の運営などで医療態勢は逼迫(ひっぱく)し、人手が足りない。市民は食料の確保に不安を覚え、SNSでは野菜を奪おうと殴り合う人の動画が拡散した。

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