滝沢歌舞伎の代名詞とも言える名物「腹筋太鼓」では、胸板の厚みがさらに増した渡辺に注目が集まった。初日前会見でも、「(渡辺は)厚みが例年より全然違うんですよ。すごいもう、分厚いんで」「楽屋でダンベルでめちゃめちゃ筋トレしてるのよ」と佐久間が指摘。これを受けて「ジムのトレーナーさんに、楽屋でできる筋トレのメニューを考えてもらって」「楽屋にいまダンベルとか、置いてあります」と明かした渡辺だが、「岩本(照)っていう最強のパーソナルトレーナーがいる」と付け加えることも忘れなかった。
勇壮な和の雰囲気から一転、全員での新曲「Feel the light, Lovely」。クールなナンバーを、アイボリーを基調にした衣装を身にまとった9人が、軽やかに踊って魅せる。続けて、舞台上でメンバーが自ら歌舞伎の化粧を行うなか、後輩のIMPACTorsがSnow Manに質問を投げかけるトークタイム。さらに、目黒がデザインした赤と黒の衣装に身を包んだIMPACTorsの7人が、岩本が振り付けた新曲「Fighter」を披露した。
拍子木が鳴り響くと、今回、内容が一新された創作歌舞伎へ。海を汚すものと、それを守ろうとする精霊たちの物語が展開する一幕では、全員が艶やかな着物に股引姿で登場し、一斉に見得を切っての立廻り。さらに、連獅子をモチーフとした赤い頭(かつら)をかぶって登場。花鳥風月の楽曲に乗せての、9人での毛振りは圧巻だ。初日前会見で、佐久間も「目玉ですね。やっぱりこれだけの人数で連獅子をやることって本当にないことらしいので」と語ったこの演目、深澤によれば、かつらが「できあがったのがギリギリで」、練習はわずか「3回くらい」だったというから、その完成度の高さには驚くほかない。
第二部の「満月に散る鼠小僧~残した夢は『笑いあり、涙なし』~」も、パワーアップ。冒頭で金之助の葬儀が行われて観客を驚かせたかと思いきや、幽霊になって登場したり、お丸の愛犬がダテタマから、ちょんまげ頭に小判と簪が揺れるキンちゃまになったり。墓場のシーンで並ぶ墓碑に刻まれた名前が、過去の愛犬愛猫だったりと、遊び心もたっぷりだ。クライマックスでは、大量の水を使っての大立廻りが復活し、全員が見事な殺陣で魅せた。