記憶をより定着させ、学んだことを効率的に積み上げていくため、岡田は勉強法を練習法に応用したのだろう。また、強くなるため重視したもう一つを次のように云う。

「強い人は自分の現在地を客観視できてますよね。早稲田(出身)の青木真也さんは練習の内容をメモしていたと言ってました。そうするとただ闇雲に毎日練習している人たちより、何が強くて、いま自分に何が足りないのかっていうのは可視化できると思います。自分を客観視するのは格闘技をやっていく上で大事な作業だと思いますし、そこは頭のいいファイターたちに共通してるのかなって」

 かつてフロリダの名門アメリカン・トップ・チームへ武者修行に赴いた際交流を持った堀口恭司も「すごい客観視ができる人ですよね」と岡田は言う。

「客観視するのは結構ツラい作業なんです。やっぱり足りてない、嫌なところも見なきゃいけないし、でもその作業がしっかりできる人たちは強いですよね。勉強もやっぱりテストで点数を取るには、そもそも単語力が足りないのか、それとも文法がよく分かってないのか、リスニングができてないのかって、自分の現在位置をしっかり客観視しないと伸びてこないので。自分の点数を伸ばすためにはどうしたらいいか、自分の現在地はどこら辺なのか、目標に辿り着くためには何をどうやって埋めなきゃいけないのかっていうのは格闘技も勉強も一緒だと思います。なのでそこら辺は生きてるし、頭のいい人たちは自然にそれが分かって実践できてるのかなとは思います」

 岡田は現在、UFCでのデビュー戦を迎える平良達郎のサポートに回っており、平良の試合が当初予定の5月1日(日本時間)から15日(同)に延期となったためラスベガスから一時帰国。再び渡米する合間を縫ってインタビューに応じてくれた。日本格闘技界期待の“超新星”も客観視に長けていると岡田は話す。

「超ネガティブなんです(笑)。『僕がやられるパターンはこうで、こういう風にして負けます』ってもうやられるイメージばっかりしていて。“自分の弱点を突かれて、こうやって負けると思います”って考えたくないしツラいんですけど、達郎は自然と客観視ができて分かっている。それを埋めて潰していくような練習ばっかりして、試合になったら思い切って大胆に勝ちにいく。それが彼の強さなのかなって思います」

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海外にも多くの“インテリファイター”