日本復帰後も米軍基地が維持されたことに沖縄県民は失望したが、50年経った今も沖縄に基地が集中する状況は変化していない(撮影/写真映像部・東川哲也)
日本復帰後も米軍基地が維持されたことに沖縄県民は失望したが、50年経った今も沖縄に基地が集中する状況は変化していない(撮影/写真映像部・東川哲也)
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 復帰50年の今も、沖縄には在日米軍基地が集中し、近年では南西諸島への自衛隊配備も進む。これからの沖縄について防衛ジャーナリスト 半田滋さんに聞いた。AERA 2022年5月16日号の記事を紹介する。

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 ロシアのウクライナ侵攻後、NATO(北大西洋条約機構)と日本など米国の同盟国が集まった西側と、中国とロシアを軸とする国々との二極化が進むでしょう。そんな中、東アジアでは台湾有事が現実味を帯びています。米軍のデービッドソン・インド太平洋軍司令官(当時)は昨年3月、「6年以内」の危機を表明。中国の習近平主席の任期を念頭に置いたものです。

 中国は2018年に2期10年の国家主席の任期を撤廃。今秋の共産党大会で周氏の3期目入りは確実で、さらに主席に留まるためには3期目在任中の27年までに政治的な成果が必要です。

 ロシアのウクライナ侵攻を見て、中国は海を隔てた台湾で軍事作戦を行う困難さや、国際社会の経済制裁によるダメージを再認識したと思います。しかし、独裁者になった習氏の延命策として、台湾統一に勝る成果は見つけにくいのが現実です。

 台湾有事で米国はどう動くのか。バイデン大統領は「台湾を防衛する義務がある」と発言しています。これは中国への牽制(けんせい)です。米国は南シナ海で「航行の自由作戦」を展開し、空母を派遣しています。日本も海上自衛隊のインド太平洋方面派遣訓練部隊の護衛艦3隻が昨年、過去最長の98日間も南シナ海に入りました。こうした抑止は対処とセットです。対処とは抑止が破れた後の手当て、すなわち戦争です。今は抑止と対処の準備が同時に進んでいます。

半田滋(はんだ・しげる)/1955年、栃木県生まれ。元東京新聞論説兼編集委員。長年、防衛省を担当。獨協大学非常勤講師。法政大学兼任講師(写真:本人提供)
半田滋(はんだ・しげる)/1955年、栃木県生まれ。元東京新聞論説兼編集委員。長年、防衛省を担当。獨協大学非常勤講師。法政大学兼任講師(写真:本人提供)

 昨年11月、南西諸島で3万人規模の自衛隊統合演習が行われ、米軍5800人も参加しました。主戦場に想定したのは沖縄です。台湾有事が起きれば米国は関与し、日本は安全保障関連法の重要影響事態を適用、米軍の後方支援を行う。米軍が戦闘で損耗した場合、存立危機事態を発令して自衛隊が米軍と共に戦うシナリオが浮かびます。

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