イェール大学助教授としてアメリカで研究生活を送りつつ、日本のYouTubeやテレビ番組でコメンテーター、MCとしても活躍する成田悠輔さん。大学卒業時は英語がしゃべれなかったと語る成田さんは、どのように英語を習得したのでしょうか。『AERA English2022』(朝日新聞出版)では、成田さんが勧める勉強法と見据える未来について話を聞きました。
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大学を卒業したころは英語がまったくしゃべれなかったし、書くこともほとんどできませんでした。就職活動を少しだけしたとき、外資系企業の英語面接で何も話せず、地蔵のように凍り付いていた記憶があります。
その後、仕事と研究のために渡米して英語の海に投げ込まれ、溺れそうになって必死に泳いでいるうちに、死なないくらいの英語力が身につきました。逃げ道のない環境をつくることも英語の習得には大事なんじゃないかという気がします。
アメリカに来たころは家に引きこもって、「ゴシップガール」「アリーmy Love」などのちょっと懐かしい海外ドラマやSF映画を延々と見ていました。英語字幕で見たのがよかったと思います。字幕なしだとわからなくて消化不良になりますが、英語字幕だと字幕を読んで理解するのと、動画を見て理解するのと、両方できるからちょうどいいんです。
僕が好きなのは人が試行錯誤したり、悩んだりする姿が見られるドキュメンタリーです。たとえば、ファッションデザイナーのアレキサンダー・マックイーンの生涯を追った「マックイーン:モードの反逆児」とか、世界で初めてスマートフォン的なものを開発したスタートアップ企業を取り上げた「GENERAL MAGIC」。
人が何かに挑戦し、悩むプロセスが映し出されるので、人工的に整理された教材の英語では伝わってこない、生の言葉としての英語に触れられます。文法とか表現だけではなく、人の息遣いや表情と一体になった英語が学べるんです。