しかし、帽子はリメイクだ。

 事情を知る関係者がこう話す。

「皇后さまのスーツの襟と袖口とポケットには、夏らしく紺のオーガンジーの素材が使われています。同じ紺のオーガンジー生地を二重に重ねて、前からお使いになっていた帽子のリボンの部分を張り替えて、今回は着用されました。皇太子妃時代から、リメイクなさることは少なくないのです」

21年12月成年行事に臨む愛子さま
21年12月成年行事に臨む愛子さま
2004年に紀宮さま時代の黒田清子さんが晩さん会で着用していたティアラ
2004年に紀宮さま時代の黒田清子さんが晩さん会で着用していたティアラ
2016年、内親王としてベルギー国王歓迎晩さん会にティアラをつけて臨んだ小室眞子さん
2016年、内親王としてベルギー国王歓迎晩さん会にティアラをつけて臨んだ小室眞子さん

 リメイクといえば、昨年12月に二十歳の成年を迎えた愛子さまは、ティアラを新調せず、叔母の黒田清子さんのティアラを借りて成年の儀式に臨んだ。サイズを合わせるために多少の手直しは、必要だったと思われる。

 コロナ禍で厳しい生活を送る国民に配慮し、両陛下と相談して決めたと公表され、海外紙なども「思慮深いプリンセス」と令和の天皇ご一家を絶賛した。

 皇后雅子さまと内親王の愛子さまが国民の生活に心を寄せた結果、意識的に衣装などのリメイクをなさっている部分もあるだろう。

「たしかに、お持ちの衣装をきれいに大切にお使いです。リメイクされることも少なくありません」

 天皇ご一家を知る関係者はそう話すが、一方で、別の理由もあると言う。

■オーダーメイドに耐えうる皇族方の体力

 天皇や皇族方が公務で着用する衣装は、オーダーメイドでデザイナーが仕立てる。そのためには、採寸や仮縫いなどに要する時間もあり、発注するご本人も体力が必要だ。

 雅子さまは、まだご体調に波があり、オーダーで仕立てるのが難しい時期もあった。また、公務への出席がギリギリまで判明しないため、長い間、新しい衣装を作らず、昔の衣装のサイズ直しをしたり軽いリフォームを施して着用することも少なくなかった。

「その意味では、今回スーツをオーダーなさったのは、ご体調がよい状況が続いた証しですね」(宮内庁関係者)

 大会が終わり、会場となった渋谷区の明治神宮会館を出発した。車から手をふる雅子さまは、ひと目姿を見ようと集まった人びとに、とびきりの笑顔を見せた。

(AERAdot.編集部・永井貴子)

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