――原因として疑われているアデノウイルスは、子どもから大人に感染するのでしょうか。

 まだ原因ははっきりしてはいませんが、もしアデノウイルス41型であれば、多くの大人は子どもの時に感染して免疫を持っています。そのため、大人が感染しても、症状は出ないか、あったとしても少しお腹が緩むくらいで、直ぐに治るでしょう。感染したことのない子どもは、最初に感染した時に急性胃腸炎の症状が出ることが多いです。

 アデノウイルス41型は、1回感染したからといって、完ぺきな免疫ができるわけではなく、インフルエンザやRSウイルスのように何度もかかります。2回、3回経験して、段々かかりにくくなったり、症状が軽くなったりしていきます。

――基本的な感染対策を教えてください。

 アデノウイルス41型は口から入って感染する場合が多く、一部は飛沫感染です。空気感染はしないので、新型コロナほど厄介ではありません。同じように口から入るウイルスとしては、ノロウイルスの方が圧倒的に感染力は強いです。基本的な新型コロナとノロウイルスの対策をしていれば、アデノウイルスは防げます。

 ただ、アデノウイルスは、アルコールに抵抗性があります。アルコール消毒を過信せずに、ちゃんと石鹸を使って手に着いたウイルスを水で洗い流すことが、一番良い対策になります。特に、飲食をする前には手洗いを徹底してください。

(構成/AERA dot.編集部・岩下明日香)