フィギュアスケート アイスダンス選手 村元哉中・高橋大輔(撮影/小黒冴夏)
フィギュアスケート アイスダンス選手 村元哉中・高橋大輔(撮影/小黒冴夏)
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 アイスダンスの村元哉中高橋大輔ペアがAERAに登場。日本のフィギュアスケート界が、これほどアイスダンスに熱くなったことはいまだかつてない。その理由はもちろん“かなだい”チームの光輝燦然にある。AERA 2022年6月6日号から。

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 2010年バンクーバー五輪。高橋大輔が日本男子で初めて銅メダルに輝く瞬間を取材した。あれから12年。引退と復帰を挟み、今、真のアイスダンサー。

 インタビューの最後に、いつまで現役を続けるつもりなのか、冗談まじりに尋ねてみた。返ってきた答えはこうだ。

「もう次こそ、アイスダンスをやめる時に現役を引退します(笑)。けどパフォーマーとして生涯現役でいたい。形式上の引退はしますけど、気持ちとしては魅せるパフォーマー。競技者ぐらいの気持ちでパフォーマンスを続けていきたいです。だからダンスが終わったら、またジャンプの練習も始めます。ダンスもシングルも両方できるようにしたいんで」

 高橋という選手は本当にスケートが大好きだ。年齢や種目などの境界線はない。僕らの想像をあっさり超えていく。およそ規格というものを知らない。それが多くのファンを魅了しているのだ。

AERA 2022年6月6日号
AERA 2022年6月6日号

 その高橋のパートナーである村元哉中も、2シーズンの空白を乗り越えてアイスダンスの世界に舞い戻ってきた。希代のスケーター、高橋と組むだけあってその肝の据わり方には惚れ惚れするほど。

「大ちゃん以上に自分が一緒にスケートをやって楽しいと思える存在っていないと思う。大ちゃん以上のパートナーはいない。スケートだけじゃなくて、人間性も。私にとっての最後のパートナーと決めています。大ちゃん、プレッシャーに感じてしまっていたらごめんね(笑)」

 高橋は「全然です。僕はクズですから」と照れ笑い。こういう“大ちゃん”らしさを、カラッと際立たせてくれる。

 まばゆい陽光を浴びながら2人は緩やかな上り坂を歩む。頂から見える偉観を、僕たちにもきっと見せてくれるはずだ。唯一無二のパフォーマーとして。

(朝日新聞スポーツ部・坂上武司)

高橋大輔(撮影/小黒冴夏)
高橋大輔(撮影/小黒冴夏)
村元哉中(撮影/小黒冴夏)
村元哉中(撮影/小黒冴夏)

AERA 2022年6月6日号