イラスト/小田原ドラゴン
イラスト/小田原ドラゴン

 戦時中、子供や夫を戦地へ送り出しても「戦争反対。戦争、嫌だ」といえなかったのは、同調圧力があったからだ。行き過ぎたラディカルフェミニストのやり方は、かつてのそれとそっくりではないか?

 戦争反対といえば愛国者じゃないと批判される。ラディフェミに逆らうと、ミソジニー、アンチフェミのレッテルを貼られる。両方とも、その時、その場で生きている人の口を塞ぐ。

 自分の間違いを決して認めず、その言葉を鎧(よろい)のように使う者は、自分だけが愛国者で、自分だけがフェミニストだと思い込んでいるところが怖い。

室井佑月(むろい・ゆづき)/作家。1970年、青森県生まれ。「小説新潮」誌の「読者による性の小説」に入選し作家デビュー。テレビ・コメンテーターとしても活躍。「しがみつく女」をまとめた「この国は、変われないの?」(新日本出版社)が発売中

週刊朝日  2022年6月10日号

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