「コンビニ百里の道をゆく」は、52歳のローソン社長、竹増貞信さんの連載です。経営者のあり方やコンビニの今後について模索する日々をつづります。
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長いコロナ禍で、働く方々にとって「リモートワーク」が効率的なのは共通認識になっていると思います。
例えば、チームでのアイデア出しなら出社して顔を見ながらの方がいいなど、オフラインとリモートのハイブリッドの案配も、皆さん何となくコツをつかめてきているのではないでしょうか。
要は「どちらを使った方がよいアウトプットが出るか」。効率のみを追求するのではなく、仕事の内容にあわせて、うまく使い分けていくことが大切だと思います。
慣れてきたリモートワークですが、「仕事のオンとオフ」の切り替えが難しいという声はよく聞きます。
会社にいればオンで家に帰ればオフ、なら簡単だったのですが、私もコロナ禍で頭の切り替え、気持ちの切り替えがうまくいかないことがありました。
そんなときの私の方法は「空気を変える」ことでした。
少しものぐさな気分の時は、窓を開け放って空気を入れ替えるだけでも頭がクリアになりますし、一人で散歩に出かけることもよくあります。近所の畑の脇を通りながら「あれはそろそろ収穫かな」などと季節を感じたり、建物が取り壊された跡を見て「あれ、ここ何が立っていたっけ?」と思い出せずショックを受けたり(笑)。
「いつもの散歩道」が4、5パターンあってグルリと一筆書きで回るのですが、ときにそれを反対方向に回ってみるだけで、景色の見え方がまったく違って新鮮です。
仕事を終えてお店の巡回もかねて、30分から1時間、時速6キロほどで歩く。小一時間も歩くと、おなかもすいてくるので、帰って風呂に入って夕飯を食べる。シンプルな方法ですが、気分はすっきりしました。
リモートワークにメリハリが欲しいときには、ぜひ試してみてください。
竹増貞信(たけます・さだのぶ)/1969年、大阪府生まれ。大阪大学経済学部卒業後、三菱商事に入社。2014年にローソン副社長に就任。16年6月から代表取締役社長