酷いよな。新型コロナウイルス感染拡大という国の大変な局面に、その混乱を利用して悪事を働くって。しかも、悪事を働いていた者は、国税職員や税理士といった専門職。彼らの倫理観は一体どうなっていたのだろうか。
話は飛ぶが、岸田首相が5月にぶち上げた「資産所得倍増プラン」。これは個人に投資を呼びかけるものだった。
もちろん、投資というからには、損だって生じるし、なにより投資にまわす原資がなくてはどうにもならない。
そして世の中、性善説を信じて生きられないほど、悪人が目立つようになってきた。
室井佑月(むろい・ゆづき)/作家。1970年、青森県生まれ。「小説新潮」誌の「読者による性の小説」に入選し作家デビュー。テレビ・コメンテーターとしても活躍。「しがみつく女」をまとめた「この国は、変われないの?」(新日本出版社)が発売中
※週刊朝日 2022年6月24日号