大木優紀さん(撮影/加藤夏子)
大木優紀さん(撮影/加藤夏子)

 環境の違いでいえば、オフィスにテレビが1台もないことにも驚きました。テレビ局はどこの部署にも10台くらいモニターがあって、すべての局の番組が常に流れています。だから最初は、テレビがなかったら世の中の動きがタイムリーでわからないのでは、と不安でした。「今、総理が何か重大発表をしたり、戦争が起こったりしたらどうするの?」なんて思っていました。でも実際に働いてみると、あらゆるツールを使って最新の情報を集めて、それをみんなで共有する仕組みができていました。テレビの前にいなくても、リモートワークで最新の情報に触れる環境になっていたので、またそれにも驚きましたね。

――今は主に広報を担当されていますが、最初から広報志望だったのでしょうか。

 転職する際には、入社後の具体的な業務までは考えられていなくて、採用をしてくれた人事の責任者に“お任せ”状態でした。リクルート出身の人事のスペシャリストがいると聞いていたので「それなら私を適材適所に置いてくれるだろう」みたいな(笑)。現在は広報という仕事を任せてもらって約5カ月たちますが、その間にもいろいろと自分なりに悩むところがあって、正直、先月くらいは結構落ちこんでいました。

――どんなことに悩んでいたのでしょうか。

 実はテレビ朝日を辞めた後、私は「もうメディアに出ることはしたくないな」と考えていたんです。アナウンサーも辞めて、違う仕事をすると決めたのだからメディアに出て話すこともやめようという気持ちでした。私が元アナウンサーという変わったキャリアを持っているがゆえに、イベントなどにお声がけいただくこともあったのですが、生意気ながら、最初は「元女子アナが~」みたいに書かれるのはちょっと違和感があったんです。

 それと同時に、スキルも何もない自分が広報という仕事を任されていることへの自信もなくなっていて「経験者を採用していればもっときちんとしたPRができて、会社も飛躍するのではないか」などと思うようになっていました。今の会社でPRを任されているのは私一人なので、余計にそういう重圧を感じていた部分もありました。

暮らしとモノ班 for promotion
大人のリカちゃん遊び「リカ活」が人気!ついにポージング自由自在なモデルも
次のページ
「私だからできる広報」があるのではないか