──ロシア国民のプーチン氏への支持率は8割超えです。その理由は?
国民がプーチン氏を支持する最大の理由は、彼がロシア経済を大きく回復させ、消費社会を実現したからです。マクドナルドやユニクロが進出し、海外旅行にも出かけ、車も購入できるようになった。しかし、経済制裁によって消費社会が後退することへの不安が高まるでしょう。ショッピングモールもどんどん閉鎖しています。ロシアでは「テレビと冷蔵庫の戦い」と言われています。テレビは愛国主義とプロパガンダを流すけれど、冷蔵庫が空っぽになってくると、それも通用しなくなるということです。(聞き手/本誌・亀井洋志
■「平和な日常が戻ることを祈っています」 作者 トーエ・シンメ
僕の作品が週刊朝日に転載して頂けるとのことでとても驚いています。ありがたいことです(戦争が継続しているからでしょうから、とても複雑な気持ちですが)。
この作品ではプーチンを「皇帝になりたい男」としてある程度極端に描き、対比としてアメリカや中国は政権交代システムがまともに機能している、としましたが、出版してすぐに中国も独裁体制になってしまい、あらら、トルコなども含め世界のあちこちに「皇帝」が並び立ってきたなあ、などとぼんやり考えていたところにコロナ禍、果ては時代錯誤な侵略戦争が起こり……と、今まさに時代の転換点に立ち会っているのだなあ、と感じています。
この作品を描いたときはプーチンがこんなことになるなどとは夢にも思いませんでしたので、ライトな語り口を不快に思う方もいるかもしれませんが、プーチンのことをわかりやすく知るには適した作品だと思いますので、この作品の情報を、現在のロシア・ウクライナ情勢に関するニュースを読み解く際の一助にお役立ていただければ幸いです。ともあれ、いかなる理由があっても戦争は悪です。一日も早く戦争が終結し、ウクライナの人々、何よりその未来を担う少年少女たちに平和な日常が戻ることを祈っています。
※週刊朝日 2022年6月24日号