高速道路のインターチェンジ(IC)やジャンクション(JCT)、あるいはサービスエリアやパーキングエリアからは、本線に合流する箇所があります。加速車線からスピードの出ている本線へ合流することに怖さや不安を感じる人もいますが、正しい手順を覚えておけば初心者でもスムーズに合流することが可能です。
今回は、高速道路で合流する正しい手順や、安全に合流するコツについて解説します。

高速道路での合流の手順

高速道路で本線に合流する基本的な手順をご紹介します。

■1. 加速車線の手前に来たらウインカーを出す

合流地点の前には、本線に合流する車がスピードを出すための「加速車線」があります。加速車線の手前に来たらウインカーを出し、本線を走っている車に合流するサインを送りましょう。
なお、加速車線に先行する車がいた場合は、手前で減速し、十分な車間距離をあけることが大切です。

■2. 加速車線を使って十分にスピードを出す

加速車線をめいっぱい使って、十分にスピードを出します。このとき、本線の車の方を見ながら加速すると、アクセルをしっかり踏み込めず、スピードが出にくくなってしまいます。加速車線上にいる間はしっかり前方を見て、スピードを出すことに専念しましょう。

■3. どの車の後に入るか決める

加速車線の残距離を確認しつつ、サイドミラーで本線を走る車を確認します。合流する際は、本線を走る車の後ろに入るのが基本です。サイドミラーをチェックし、どの車の後ろに入るか目標を定めましょう。

■4. 目標の車の斜め後方につくように速度を調整する

合流地点が近づいてきたら、目標の車の斜め後方につくように速度を調整します。スピードを落としすぎるのはかえって危険なので、ブレーキは踏まず、アクセルから足を離して調節しましょう。

■5. 目視しながら合流する

後方を走る車の位置や距離を確認しながら、目標とする車の後ろに入ります。後方を見るときはサイドミラーではなく、直接目視して安全を確認しましょう。
なお、加速車線で十分にスピードを出した状態でハンドルを急に切ると、思った以上に車体が曲がってしまい、大変危険です。本線に合流するだけであればハンドルをそれほど切る必要はありませんので、緩やかな操作を意識しましょう。
そのぶん、合流後はハンドルを戻してもウインカーが点灯したままになることがあるため、合流したら手動でウインカーを元に戻すのを忘れないようにします。

高速道路で安全に合流するコツ

高速道路で安全に合流するために覚えておきたいコツを2つご紹介します。

■1. ウインカーは合流3秒前に出す

道路交通法施行令第21条では、同一方向に進行しながら進路を左右に変える場合、その行為をしようとするときの三秒前に合図を行うことと定めています。[注1]
合流する直前にウインカーを出すと、本線を走る車が合図を見落としやすくなり、合流時の衝突リスクが高くなるおそれがあります。とくに加速車線では十分スピードを出す必要がありますので、加速車線に入ったらすぐにウインカーを出すようにしましょう。

[注1]e-Gov法令検索:「道路交通法施行令」

■2. ミラーの死角に注意する

加速車線上にいる際は、本線の後方を走る車をサイドミラーで確認しますが、ミラーは設置位置の真後ろしか映さないため、ミラーの位置より外側の後方は死角になります。サイドミラーだけに頼って合流すると、死角から現れた車と接触する危険性がありますので、合流する際は必ず目視で後方を確認しましょう。

悪天候時は高速道路の合流に注意しよう!

雨や雪が降っているときは、通常よりも視界が悪くなります。とくに高速道路はスピードが出ているぶん、一般道路よりも視界が狭くなりやすく、他の車が見えづらくなると言われています。
出発地点は晴天でも、途中で利用した高速道路は悪天候だったというケースも少なくありませんので、事前に現地の天気を確認しておくことをおすすめします。

天気予報専門メディア「tenki.jp」では、気象影響リスクのある道路区間をまとめた「道路の気象影響予測情報」を毎日公開しています。これから利用する予定のある高速道路の気象影響を知りたいときはぜひご活用ください。

高速道路の合流は正しいステップを踏めば怖くない

高速道路でスピードが出ている本線に合流するのは、運転歴が長い人でも緊張する行為と言われています。
加速車線を十分に使ってスピードを上げる、ウインカーを早めに出す、目標となる車を決めて合流するといった正しい手順を踏めば、初心者でも安全かつスムーズに合流することが可能です。
逆に、緊張や不安のあまり、十分にスピードを出さずに合流しようとすると、本線の車と接触するリスクが高くなってしまいますので、思い切って加速することが大切です。また、合流する際は必ず後方を目視し、近くに車がいないことをしっかり確認してからハンドルを操作しましょう。