■東京最古参の沖縄居酒屋

この店のある商店街にはイラン料理店などもあり、まるでここが東京であることを忘れてしまいそう(写真:小黒冴夏)
この店のある商店街にはイラン料理店などもあり、まるでここが東京であることを忘れてしまいそう(写真:小黒冴夏)

高円寺で沖縄居酒屋を4店舗経営する抱瓶グループ。「石垣島出身のおふくろが、高円寺で降りたときに『故郷と雰囲気が似てる』と感じたからです」と語るのは、店主の篠原雅司さん。1961年に開店した1号店の「きよ香」は、都内における沖縄居酒屋最古参のひとつ。社名を冠した2号店「抱瓶」も44年の歴史を誇る。暖簾をくぐると、民族衣装を身につけた店員が迎えてくれるわ、数え切れないほどの泡盛の瓶が目に入るわ、たちまち沖縄気分になる

料理手前から時計回りに、ゴーヤチャンプルー770円、ラフテー880円、スヌイ(もずく)の天ぷら770円、スクガラス495円(税込み/写真:小黒冴夏)
料理手前から時計回りに、ゴーヤチャンプルー770円、ラフテー880円、スヌイ(もずく)の天ぷら770円、スクガラス495円(税込み/写真:小黒冴夏)

抱瓶
東京都杉並区高円寺北3−2−13
TEL 03−3337−1352 営業時間17:00~翌5:00 定休日なし

■市民の交流を支えて約90年の銭湯

創業当時から変わらぬ神社仏閣風の建物は、国の登録有形文化財。都内の銭湯としては3番目(写真:小黒冴夏)
創業当時から変わらぬ神社仏閣風の建物は、国の登録有形文化財。都内の銭湯としては3番目(写真:小黒冴夏)

高円寺純情商店街の北端から少々北西に向かうと、脇道にレトロな銭湯が見えてくる。1933年創業の小杉湯だ。カオスの街・高円寺で、ホッと一息つける優しさを感じる。とはいえ、実は地域の情報発信センターとしての機能も併せ持つ。先代のころから漫画家のサイン会や落語などイベントスペースとして使われてきた。皆でランニングをして湯で汗を流したり、散歩の出発点となったり……。取材で訪れた日は、女湯ではヨガ教室が開かれていた

富士山の壁画は2020年に銭湯絵師・中島盛夫さんが描いた。高い天井が昔ながらの銭湯らしい(写真:小黒冴夏)
富士山の壁画は2020年に銭湯絵師・中島盛夫さんが描いた。高い天井が昔ながらの銭湯らしい(写真:小黒冴夏)

小杉湯
東京都杉並区高円寺北3−32−2
TEL 03−3337−6198 営業時間15:30~翌1:30最終受付<土日は8:00~>木曜定休

(取材・文=菊地武顕[本誌])

週刊朝日  2022年7月29日号

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