「肉体的な疲れ」の対策とは
肉体的な疲れは、一般的によく見られる毎日の疲れ。過労や寝不足、食生活の乱れなどにより「気」や「血」が不足することで起こります。一晩しっかり眠って「気」をチャージすれば解消できる疲れですが、この疲れを放置すると慢性的な疲れとなり、虚弱状態に進む恐れがあります。
対策の基本は「気」を補う食事と睡眠です。食事では疲労回復効果があるビタミンB 群の他、タンパク質やカルシウムなどのミネラルも積極的に摂りましょう。よい睡眠をとるために、日頃から体内時計を整えておくことも大切です。就寝時間がまちまちでも、起床時間は一定にするのがよいとされています。
「精神的な疲れ」の対策とは
このタイプの疲れを漢方的に見ると、過剰なストレスにより、体の中に「邪気」がたまり、全身に「気」が巡っていない状態。気分が鬱々としたり、ムラがあったり、手足の冷えを感じたりするケースが見られます。邪気とは体の中の余分なもののことで、漢方ではたまった邪気は、汗や尿、便通、血行改善により体外に出していきます。そのため、運動や入浴で汗をかくのがおすすめです。
好きなことに没頭する、歌を歌う、非日常的な時間をもつことも邪気を取り除くことにつながります。また、精神的に疲れている時は肩甲骨付近がこっていたり、背中が張っていたりすることも多く、背中をほぐすのも有効です。
「女性特有の疲れ」の対策とは
特に月経前後の女性に起こりやすい疲れで、月経による出血で「血」が不足した「血虚」の状態。いわゆる貧血を原因とした疲れです。酸素が体の隅々まで行き届きにくく、細胞が栄養不足になることから、肌や髪、爪といった体のあらゆる部分でツヤや潤いが失われます。美容面でも避けたい疲れです。
この疲れに対する漢方のアプローチは、「血」を補う黒豆や黒ごま、黒米などの黒い食材、ナッツやドライフルーツなどを積極的に食べること。鉄分を多く含む赤身の肉や魚などを毎日心がけて摂ることも大切です。食事だけで改善するのが難しい場合は、鉄分配合のドリンク剤を活用するのも一案です。