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私たちの生活には、いろいろなところで神様の存在を感じられることがあります。身近なところでは、「初詣」。受験生なら「合格祈願」。ビジネスパーソンなら「商売繁盛」。名だたる経営者も、日本の歴史をつくった戦国大名や歴代天皇も、神様を信仰し、力を借りて成功を収めてきました。漫画やゲームのキャラクター名でつかわれていることもあります。もしかしたら、ヒットの要因は、神様のご利益かもしれませんね。
日本には、八百万(やおよろず)の神様がいると言われています。膨大な神様の中から100項目にわたって紹介する新刊『最強の神様100』には、古代から現代まで、めちゃくちゃ力のある神様が登場します。最強クラスの神様なので、ご利益も多種多様。
今回、紹介するアヂスキタカヒコネは、「雷神」とも言われ、「日本最古の最強の神様」です。「気分が落ちている」「疲れがたまっている」人には、いい神様かもしれません。
出雲から来た最強の刀剣
漫画で、序盤に最強とされた存在は実は最強ではなく、真の最強の存在がいた。いやいや、さらにその背後に真の真の最強がいたなんて設定がありますね。アヂスキタカヒコネはまさにそんな「真の真の最強の神様」です。歴史に残る日本最初の天下人・葛城氏が最も信仰した神様でした。葛城氏は外国との関係が深く、ヤマト王権の外交と内政を主導。天皇と並ぶ存在で、最初期の天皇の母や妻もまた、葛城氏の出身でした。

アヂスキタカヒコネは「雷神」と言われますが、まさに雷神を感じる出来事がありました。高鴨神社を参拝した後、別の神社で宮司さんと話をしていたら、突然雨が降り出して、雷が落ち、近くの給湯器が壊れたのです。「名前を読んだら来るんだな」と実感。給湯器が壊れたのは悪いことですが、厄除けできたなと感じました。
アヂスキタカヒコネを祭る高鴨神社は奈良県御所市にあり、京都の上賀茂神社や下鴨神社など、全国にあるカモ(賀茂・鴨・加茂)神社の総本社です。カモは神の語源ですから、神様のオリジナルかもしれません。
アヂスキタカヒコネの別名は迦毛大御神(かものおおみかみ)。「大御神」と称えられる神は、他に古事記などの神話で主役の大活躍をする神しかいません。しかし、アヂスキタカヒコネは端役です。神話が書かれる頃には、葛城氏は没落し、軽く扱われたようです。すごい神なのに、注目されていない。ご利益は大きいのに、求める人が少ないのですからお得ですね!
神話では、長い刀剣をふるい、うん百キロ以上遠くまでモノを蹴り飛ばす怪力の持ち主で、ケガレを祓います。「気分が落ちている」「疲れがたまっている」など、悪いものを振りはらう強いお力があり、そのご利益は絶大ですね。
ちなみに高鴨神社のある御所市は、「日本最初の首都」。6代天皇の頃まで、首都の多くは御所市でした。アヂスキタカヒコネは、「日本最古の最強の神様」なのです。
【主なご利益】厄除祈願、身体健全、商売繁盛
【こんな人にオススメ!】
「悪いことが続いているな~」と感じている人
*本原稿は、八木龍平著『最強の神様100』からの抜粋です。
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