しかし、そういった記載があるにも関わらず、これまでに「政府指定の書式ではない」などという理由から、搭乗拒否にあった日本人がいるとの報道もされている。万が一のために、筆者はNY市内にある日系医療機関に証明書を頼むことにした。PCR検査、そして陰性証明書受け取りと内容確認のため2日間。さらに検査と証明書発行代として、自己負担で380ドル(約42,000円)の費用がかかった。
そしてようやく出発日を迎え、筆者がニューヨークにあるジョン・F・ケネディ国際空港に到着すると、航空会社のカウンターで早速チケットの予約、パスポート、そして陰性証明書の確認が行われた。無事にチェックインを済ませ、ゲート前に到着するとまばらな乗客が搭乗を待っていた。およそ250人乗りの飛行機には乗員乗客を合わせ40名ほどしかいなかった。航空会社はこれで大丈夫なのかと心配になるほどだ。さらに、搭乗前にはオンラインで氏名や生年月日、海外における過去14日間の滞在国・地域などの情報を登録し、日本入国時に提示するQRコードを発行しなければならない。
日本入国に際し必要なのは、以下のものになる。
(1)「公共交通機関を使用しないこと」、「他者との接触を行わないこと」、そして「日本入国後に自宅や宿泊場所で14日間待機すること」などを誓う誓約書への署名
(2)位置情報確認アプリ(OEL)やビデオ通話アプリ(MySOS)、接触確認アプリ(COCOA)のインストールとそれに関する合意書
(3)現在の健康状態や入国前に滞在した国を記入した健康カード
機内で記入したこれらの書類を持って羽田空港に到着した乗客には、出発した国別に色分けされたカードが輪ゴムで手首に巻き付けられ、空港内に設けられた簡易テーブルの上でそれぞれの書類の審査が行われた。ちなみにニューヨークから到着した乗客には緑色のカードが着けられたが、NY州を含む変異ウイルスの感染者が確認された検疫強化対象国・地域に在住、もしくは滞在経験がある乗客には、入国後日本政府が指定した検疫所宿泊施設にて3泊4日の強制隔離が待っていた。(その後、NY州は6月24日に対象地域から除外された)