日本に帰国する際に配られた入国関連書類
日本に帰国する際に配られた入国関連書類
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東京五輪に参加予定のウガンダ代表の選手など、これまで日本へ入国した外国人の6名が新型コロナに感染していたことが判明した。この状況を受けて菅義偉首相は6月28日、羽田空港にある検疫などを視察し、水際対策の徹底を指示した。東京オリンピック・パラリンピックに参加する海外選手団や大会関係者など、今後およそ6万8000人の入国が見込まれている。さらに夏休みシーズンを前に、多くの海外で暮らす日本人の一時帰国者や外国人の入国などが予測されるが、ニューヨークから帰国した筆者が自身の経験をもとに、日本政府による水際対策の現状を報告する。

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 東京オリンピックが目前に迫るなか、日本政府による水際対策はどうなっているのか。実際のところ、海外からのオリンピック団や関係者に対しては、14日間の隔離を免除するなどの特例入国が現在認められている。そのため、筆者のような一般の帰国者との単純な比較は出来ないが、日本政府が入国してくる人々にどれほど厳密に対処しているのか、推し量るための手助けにはなるだろう。

 今回筆者は、ニューヨークから羽田空港への直行便を利用して、6月中旬に日本へ戻ってきた。昨年末に一時帰国した際と比べると入国の手続きが数倍厳しくなっていた。今回の日本への帰国の一部始終を、ニューヨーク出発時点から振り返ってみる。まず、それは煩雑な情報と書類との葛藤から始まった。

 前回との一番の大きな違いは、海外から日本へ入国するすべての人には国籍を問わず、出発から72時間以内に受けたPCR検査の陰性証明書の提出が必要とされる部分だ。しかも日本政府が指定する、検査方法などの細かい条項が書かれた所定の書式を使用することが求められている。

 しかし、この所定の書式というのが厄介だ。厚生労働省のウェブサイトを見ると、「所定のフォーマット(を)使用することが困難な場合には、任意のフォーマットの提出も妨げられません」と明記されている。

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日本フォーマットのため、割高になったPCR検査