(撮影/加藤夏子)
(撮影/加藤夏子)

――以前、インスタライブで「友達がいない」とお話しされていましたね。

はい。でもそれを苦痛だと感じたことは一度もありませんし、いまでも「遊びたい」という気持ちはあまりないんです。時間がある時は筋トレをしていて、効果的なトレーニング法を調べたり、自分のために時間を使うのでまったく苦じゃないですよ。

――現在は女優としてご活躍されていますが、いまでもダンスをやりたいという気持ちはありますか?

 2年前くらいからダンスのことは完全に頭からなくなって「演技をやりたい」に変わりました。

――なにかきっかけはあったんでしょうか?
 
 桂正和先生の漫画「I”s(アイズ)」の実写ドラマ(2018年)に出演させていただいたことがきっかけです。そこで共演者の方から刺激を受けました。私は当時、何もできなくて「本当のお芝居ってこういうものなんだ」と。

――共演者について教えてください。

 とくに印象的だったのが俳優の岡山天音さんです。岡山さんは台本上に記された言葉をすべて心の声として表現していて、「すごいな」と。そこにいる自分を「恥ずかしかい」とさえ感じたのを覚えています。同時に悔しさと「近づきたい」という思いが生まれてきて、そこで演技に対する自分の考え方がガラッと変わりました。

――過去には、加藤さんを長澤まさみさんや新垣結衣さん、広瀬すずさんなどの先輩女優と比較する報道もありました。目標とする女優はいますか?

そうなんですか?(笑)。目標の女優さんはいません。私は私だと考えています。

――女優業を続ける中で不安や苦痛を感じることは?

 いまはお芝居のことを考えているだけで本当に楽しいんです。台本を読んで、この言葉は心のどこから出てきた言葉なんだろう、目線はどこにあるんだろうとか。だから不安といった感情はいまのところありません。不安ではないのですが、心配なことは友達が少ないことくらいですね(笑)。

――ドラマ「取り立て屋ハニーズ」では初のアクションシーンに挑戦しました。

アクションについては、本物の方とは比べものになりませんが、ダンスをやっていたので覚えるのは早かったと思います。これからもどんどん挑戦していきたいです。撮影はクランクインの前日だけちょっとドキドキしてしまいましたが、もともと不安をあまり感じない性格なので、それ以外は大丈夫でした。私が演じたシズカは「明るい」キャラクターだったので、初めは変な声を出したりとか表面的なことを試してしまったのですが、どうしても演技が安っぽくなってしまって。そこで、私が持っている「明るさ」を役に近づけていくように変えました。そうすると自然にシズカという役に入り込めたので、そこはすごく勉強になりました。

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