ここ数年、ストリップ劇場の客席に女性の姿が増えている。老舗「浅草ロック座」では、時には客の4割前後を占めるほどだという。さらには、ストリップ好きが高じて踊り子になったケースもある。なぜ、彼女たちはストリップのステージを目指したのか。4人の踊り子に取材した。
●女子大生ストリッパー 卒業を節目に引退 つむぎさん
「超難関大学の現役女子大生が、鮮烈デビュー」
こんなセンセーショナルな告知で昨年7月、ストリップファンの注目を浴びた、つむぎさん。
踊り子になったきっかけは、客としてストリップを見たことだった。
「大学にストリップ好きの先輩がいて、『一緒に行こう』と誘われ、浅草ロック座で観劇したんです。踊り子さんたちの美しさ、衣装や照明の豪華さにみせられ、『私もお姐(ねえ)さんたちみたいに輝きたい、あそこに立ってみたい』と思ったんです」
深く考えるよりすぐに動いてしまうタイプ。浅草ロック座に自らを売り込み、デビューが決まった。
初舞台は、姉妹劇場の川崎ロック座。昨年11月には浅草ロック座の20日間連続公演のステージを飾った。
「親にはもちろん、ごく一部を除き友人にもナイショです(笑)」
バレる心配はなかったのだろうか?
「もちろんありました。でも大学4年生ですから最後のチャンス。就職後では無理です。どうしてもやってみたかったので、デビューできて本当に良かったです」
一番の思い出は20日間連続公演のレッスン。10日間、「毎晩終電で浅草(ロック座)へ行ってエナジードリンクを飲んで眠気を飛ばし、始発まで繰り返し踊って体で覚えました」
楽屋での休憩中に参考書などを開き、熱心に勉強していたのは、踊り子の間でも語り草だ。
先日、大学を卒業した。この先はストリップとは別の道に進む。
「ストリッパーを辞めるのは、まずは新卒として社会に出て、あらゆる知識を身につけたいからです。いろんな経験を積んで、さらに自分を成長させたい」