春に洗濯物を外干しする際、花粉の付着が気になる方は少なくないでしょう。いつもどおりに外干しすると、大量の花粉が衣服に付いてしまいかねません。春に洗濯物を干すときは、しっかり花粉対策することが大切です。

今回は、春の洗濯物の花粉対策や、花粉がつきやすい服の種類などについて解説します。

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春の洗濯物の花粉対策を怠るリスク

春の洗濯物の花粉対策を怠ると、以下のようなリスクがあります。

■1. 花粉症の発症

花粉のついた衣服をそのまま着ると、衣類についていた花粉が目や鼻に入り、花粉症の症状を引き起こす場合があります。すでに花粉症になっている人はもちろん、これまで花粉症になったことがない人も、新たに発症するリスクがあります。

■2. 花粉を室内に持ち込んでしまう

どんなに部屋の窓を閉め切っていても、花粉のついた衣服をそのまま取り込めば、室内に花粉を持ち込んでしまいます。花粉のついた衣類を着る本人だけでなく、一緒に住んでいる家族も花粉の影響を受けてしまうでしょう。

とくに花粉がつきやすい要注意な服

花粉対策を行わずに洗濯物を干すと、どの衣類にも花粉が付着します。ここでは、とくに花粉がつきやすい要注意な服を3つご紹介します。

■1. 静電気が発生しやすい服

一般的にウールやポリエステルといった素材の服は、静電気が発生しやすいです。静電気が発生すると、大気中に漂っている花粉を引き寄せてしまうため、短時間でもほかの素材より多く花粉が付着してしまいます。

■2. 毛羽立っている服

モヘアのような毛足の長い素材を使った衣類や、起毛加工が施されたものは、花粉が絡みやすい傾向にあります。また、毛羽立っている服は摩擦による静電気も起こりやすいので注意が必要です。

■3. 凹凸のある服

ケーブル編みのニットや、コーデュロイ素材の衣類は、編み目や畝(うね)の部分に花粉が入り込みやすいデザインになっています。凹凸が大きいほどたくさんの花粉を溜め込んでしまうので、外干しするときはしっかり対策することが大切です。

春の洗濯物の花粉対策で押さえておきたいポイント

春に洗濯物を干すとき、ぜひ押さえておきたい花粉対策のポイントを5つご紹介します。

■1. 洗濯時に柔軟剤を使う

市販の柔軟剤は、衣類の表面を滑らかに整える作用があります。表面が平滑になると、繊維同士の摩擦が起こりにくくなり、静電気による花粉の付着を軽減できます。部屋干しする方は、抗菌・防臭効果の高い柔軟剤がおすすめです。嫌な部屋干し臭の軽減にも役立ちます。

■2. 洗濯物を取り込むときに花粉を落とす

洗濯物には目に見えない花粉が大量についていますので、屋外で花粉を落としてから取り込むのがポイントです。ただ、洗濯物に付着した花粉はなかなかしぶとく、手で払うだけではなかなか落としきれません。

洗濯物を手で払ったり、ばさばさ振り回したりすると、周囲に飛散した花粉が目や鼻に入り込むおそれもあります。粘着シートやウエットティッシュなどを使って花粉を拭き取ってから室内に取り込むようにしましょう。

■3. 早朝に干す

花粉の飛散量は一定ではなく、一日の中で大きく変動しています。環境相がまとめた「花粉症環境保健マニュアル」によると、花粉の飛散量は正午あたりから徐々に上昇し、14時あたりにピークを迎えた後、夜にかけて徐々に減少していきます。[注1]

午前の早い時間帯は飛散量が比較的少ないので、なるべく早朝に干すことを心がけましょう。

■4. 洗濯物が乾いたら、すぐに取り込む

洗濯物を外干しする時間が長くなればなるほど、花粉が付着する量は多くなります。気温が高くなってくる春は、日差しの状態によっては短時間で洗濯物が乾くこともあります。「乾いたな」と思ったらすぐに洗濯物を取り込む習慣をつけましょう。

■5. 飛散量の多い日は部屋干しする

花粉の飛散量が多い日は、どんなに対策しても花粉が大量に付着してしまうおそれがあります。花粉は晴れて気温の高い日や、空気が乾燥して風のある日ほど、飛散量が増加する傾向にあります。雨上がりの翌日や、気温の高い日が2~3日続いた後も花粉が飛びやすくなりますので、飛散量が多い日は室内で部屋干しするのがおすすめです。

花粉シーズンは洗濯物の花粉対策をしっかりと!

花粉が飛散する時期は地域やその年の天候などにもよりますが、スギ花粉はおおむね2月~3月、ヒノキ花粉は3月~4月にかけてピークを迎える傾向にあります。[注1]

花粉が飛散しているときに洗濯物を外干しすると、衣類に大量の花粉が付着し、アレルギー症状を悪化させてしまうおそれがあります。花粉シーズンが到来したら、静電気の発生を抑える柔軟剤を使ったり、洗濯物を干す時間帯を早めたりして、しっかり花粉対策しましょう。

天気予報専門メディア「tenki.jp」では、花粉の飛散情報を公開しています。花粉の飛散情報はエリア別に、1週間先まで掲載していますので、こまめにチェックして、洗濯物の花粉対策を始めるタイミングをつかみましょう。

[注1]環境省:花粉症環境保健マニュアル2019[pdf]