■短い時間でも集中して子どもに全力で向き合う
「自ら学ぶ子ども」に育てるには、とにかく親が深い包容力を持って子どもと徹底的に向き合わなくてはなりません。
ですが、仕事と育児を両立するワーキングマザーやファーザーにとって、子どもと向き合う時間の確保は大きな課題です。
特に女性は、出産、子育て時期とキャリア形成時期が重なるため、「忙しくてすぎて時間がとれない」と罪悪感を抱いているお母さんも少なくないでしょう。
しかし、時間が限られているからこそ、高い濃度で集中して子どもに向き合えます。
毎日、最低10分でもかまいません。「この時間は子どもに集中する」と決めたら、携帯の電源を切る、パソコンも開かない、「ながら家事」はしない。
とにかく、子どもだけに集中して一緒に遊びながら、学びの機会を創出して下さい。
絵本を読み聞かせたり、一緒にブロックを組み立てたり、お絵描きをしながら、「この子が一番興味を抱いているものは何だろう?」と真剣に観察して下さい。
特に「読み聞かせの効率化」は有効です。「親が子どもに物語を読んで聞かせる」だけでは、子どもが発言できる機会はほとんどありません。
ようやく確保できたこの貴重な時間に、できるだけ多くのことを詰め込みたい、と考えた私は、物語に関連するクイズを入れ、子どもたちに答えさせるようにアレンジを加え、「読み聞かせ+考えるトレーニング」の時間になるように工夫を凝らし、効率化を図っていました。
子育ては一生続くものではありません。子どもが成長すれば、親としての関わり方も変わります。大事なのは「子どもが自分で判断・選択できるようになるまでの期間、親がどれだけ全力で向きあえるか」なのです。
お子さんによっては多少前後しますが、10歳までを目安に全力で向きあうように心がけましょう。