食物繊維たっぷりスープ(撮影/松本祥孝)
食物繊維たっぷりスープ
(撮影/松本祥孝)

 ようやく夏が終わり、最近は過ごしやすくはなりました。しかし、季節の変わり目は疲れが出やすいもの「なんとなくしんどい」といった病院に行くほどではない不調を感じている人が多いのではないでしょうか。そんな“秋バテ“に効くという「リカバリースープ」を料理研究家の浜内千波さんに紹介してもらいました。

【ニラと豚肉と豆腐のみそスープ…などの写真はこちら】

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 今年は、6月末からの東京の連続降水観測が32日という、1954年の記録に並ぶ長雨で、8月に入りようやく夏の日差しを感じる“カラッとしない夏”でした。蒸し暑くてもコロナ禍でマスクは手放せず、外出もままならない日々。その意味でも、いつもの夏に比べて疲労度が倍以上だったかと。

 そんな疲労の蓄積が季節の変わり目の不調につながっているかもしれません。不調を感じたときに試してみてほしいのが、浜内さんが提案する“リカバリースープ”。身体の機能を整え、体力を回復させるような食材を使ったスープで、一日の最後に飲むと効果的だそうです。

「リカバリーとは、体調を回復させ、取り戻すという意味。ちょっとした不調は、自分でも気づきやすい。だから、その不調をすぐにリカバリーできる方法の1つに食事があります。食材には力があるので、リカバリースープは、症状に直球で効きそうな食材をしっかり入れ込んだ心身ともに喜ぶスープになっています。疲れた1日の最後(夜)に飲むことでさらに効果的です。食材に手伝ってもらいながら、自分の体と向き合ってみてください。体は自分が口にするものでできていることを再認識していただきたいです」(浜内さん)

 浜内さんはこの9月に、『不調を見逃さず、早めに体を回復させる 夜に飲むリカバリースープ』(WAVE出版)を出版。その中から、今の季節に適した3つのレシピを紹介します。

■免疫力アップには、豆腐、豚肉、ニラ

 免疫が落ちると、風邪をひきやすくなり、季節の変わり目に特有のぜんそくやアレルギーが出たりします。また、新型コロナウイルスの感染予防にも、免疫力を上げて健康を保つことが大切です。

 免疫力をアップするには、タンパク質を摂ること。免疫の抗体を作るもとになります。また、硫化アリルという成分は、ビタミンB1の働きを助けて糖の代謝を促し、疲労を回復させます。スパイスも食欲増進や消化促進の働きがあるので、結果、免疫力の低下を防ぎます。

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タンパク質とビタミンB1を含む食材は?