●【傾向4】ポイント還元の開始後にクレジットカードを新しくつくった

 クレジットカードの枚数をむやみに増やすのはポイントが分散するのでよろしくないと先に書いたが、「最近、新しくカードをつくった」という人はいないだろうか。その理由が、キャッシュレスアプリへの紐づけや高還元率キャンペーンを利用したいがためだとしたら、注意が必要だ。

 キャンペーン上手のPayPayは、Yahoo!JAPANカードを決済先にすると還元率を最大までアップしてくれる。そのため筆者は、このカードを新たに申し込んだという声を聞いたことがある。

 期間は終了してしまったが、JCBは自社グループ発行の個人カード・ビジネスカードをApple Pay またはGoogle Payに設定すると、20%をキャッシュバックするという、大型キャンペーンを打った。LINEが発行を予定している高還元率のVISAカードを申し込むつもり、という人も多いだろう。

 クレジットカードは、そうそう気軽につくっていいものでもない。JCBによると、日本人のクレジットカードの平均保有枚数は3.2枚(2018年)。ネット通販や公共料金・通信費の決済に使用しているカードはなかなか変えられないし、還元率も似たり寄ったりだ。新たなカードをつくるきっかけがない中で、キャッシュレスのキャンペーンに乗って新規加入が増えれば、カード会社には御の字といえる。

 カード会社は手数料の高いリボ払いやカードローンで稼いでいる。多分、新規加入後には「オトクになりますよ」とリボ特典をアピールしてくるだろう。賢明な読者諸氏は、そちらには近寄らないようにしてほしい。本当に搾取されかねないからだ。

●【傾向5】気づくと最近、現金決済をしていない

 もともとキャッシュレス派だったという人は、自分の支払いペースがつかめているだろうから、問題ない。しかし、ポイント還元の開始後、にわかキャッシュレス派になったという人は、そろそろカードの利用明細を確かめよう。

 現金では財布の中にある金額以上は支払えないが、キャッシュレスなら別だ。「現金お断り」にした楽天イーグルスの本拠地・楽天生命パーク宮城は約27%、ヴィッセル神戸の本拠地・ノエビアスタジアム神戸は約50%も、2019年の飲食購入金額が上がったという。

 キャッシュレスにすると、現金より多めに使ってしまう傾向があるのは事実らしい。また、いくら払ったかは決済履歴を見て振り返ることができるが、「今月はあといくら使っていいのか」ということは、パッと見ではわからない。カード引き落とし日は1~2カ月先になるからだ。そこに無自覚のままキャッシュレス払いを重ねていると、突然口座の残高が赤字となってしまうことは、あり得ない話ではない。

 ポイント還元事業の期間内に目いっぱい使おうというのはいいが、自分が払える範囲で使うという家計の基本をお忘れなく。

次のページ
あれほど不人気なマイナンバーカードに興味がわいてきた