
昨年秋から8カ月カナダに滞在し、ハリウッドドラマの撮影に挑んだ穂志もえかさん。アメリカのテレビシリーズ「Shogun」の主要キャストに選ばれた27歳の彼女が、子どもの頃から抱える屈託とは──?
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子どもの頃は内弁慶だった。家ではワガママを言い放題なのに、一歩外に出ると、母や5歳年上の姉の後ろに隠れて、モジモジしてしまう。それが、4歳ぐらいのときに姉のバレエのレッスンについていったことで、一気にバレエにのめり込んだ。
「人前で何かをするなんて考えたこともなかった私が、バレエを習っているときは、恥ずかしいや怖いなどの、余計な雑念を忘れて、シンプルに『楽しい!』って思えた。今振り返ると、ファンタジックな物語世界の中に入っていけることが、好きだったんだと思います」
ある時期から「将来はプロのバレエダンサーに!」という目標を持つようになった。ところが、中学に進学し思春期を迎えたときに、「もうプロは無理かもしれない」という人生初の壁にぶち当たる。バレエを始めて10年──。ずっと一途に思い描いていた夢を手放さなければならなくなったとき、突然、「女優になろう!」と閃いた。
「バレエを諦めたときは、いろんな事情が重なっていて、わかりやすい理由があるわけではないんです。コンクールに出てもなかなかいい成績を収められず苦しかったタイミングで、家庭の事情も重なり、バレエと距離を置いたことがあって……。そのとき、燃え尽きている自分に気づいてしまったのがいちばん大きかったと思います。あとはもう、気づいたら『女優になりたい!』って口に出していました。どうやったらなれるのか、自分にそんな才能があるのかなど考えもせずに。その頃ちょうど担任の先生と面談があって、『将来は女優になりたいです』って伝えていましたね。先生も面食らっていました(笑)」
おっとりしたお嬢様的風貌ながら、言動は破天荒。一度決めたら一直線に突き進むタイプらしい。